多発する「観光公害」に打つ手はあるか 総量規制と誘導対策だけでは非現実的

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北海道の田舎町もアジア人だらけ

 たとえば、大阪の繁華街・梅田近くにある大阪市北区の中崎地区では、昔の下町感が残っていて、外国人に人気が集まっている。

 その一方で、地元住民は、自宅を無断で撮影されたり、ゴミを放置されたりするなど、頭を悩まされているという。

 しかし、まだまだこれは序の口。たとえば、北海道のど真ん中に位置する人口約1万人の美瑛町。年間200万人以上の外国人観光客が訪れる自然豊かな田舎町だ。なぜ人気を集めているのかといえば、この町には、小麦やジャガイモ、豆類などの色鮮やかな美しい畑が連なっている“パッチワークの丘”という観光名所があるからだ。

 が、近年、特にアジアからの観光客が大勢押し寄せ、道路上で三脚を立てて、車の通行も気にせずに撮影したり、立ち入り禁止の私有地の畑に勝手に入ったりするなどのマナー違反がたびたび横行しているという。

 地元農家の人たちは、観光客たちにそのたびに注意するものの、言語の壁もあり、十分な対策になっていないようだ。

 京都、大阪、北海道のほかにも、住民の120倍もの観光客が訪れる古都・鎌倉や、近年“小江戸”と称され人気を集めている埼玉県・川越市など、観光公害に悩まされている街は年々増えており、何らかの対策が必要なのは間違いない。

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