「紀州のドン・ファン」遺産争いに新展開、取り分目減りでも幼な妻が微笑むワケ

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捜査も継続中

 わずか3カ月の結婚生活で6億円以上が転がり込むと考えれば、彼女が異議を唱えないのも頷ける話だ。その一方で、野崎氏の兄弟など、他の遺族たちは収まらない。

「遺産の取り分がゼロになることに加え、奥さんのふるまいにも我慢ができなくなった。彼女は亡くなった社長の会社の代表に就任して従業員を退職させ、7千万円もの役員報酬を先食いしていた。業を煮やした遺族は、遺言書の真贋を怪しみ、裁判所に無効を申し立てているのです」(同)

 また、野崎氏の急性覚醒剤中毒による怪死についても捜査は継続中。未亡人と共に遺体の第一発見者となった家政婦が語るには、

「今月上旬に改めて麻布署に呼ばれたんです。和歌山県警の刑事も2人いて、社長と奥さんとのトラブルについて詳しく尋ねられました。社長は結婚式を挙げたかったものの、奥さんが頑として拒否するので何度も口論に。それこそ亡くなる直前まで揉めていました。そのことも伝えています」

 田辺市長は、「遺言書が有効なものという前提で準備している状況」と言うが、

「13億円は、会社の会計担当者の情報から算出した金額。他に借金がないとは言い切れない」(先の関係者)

 大いなる遺産は大いなる誤算となるか。最終章の幕は上がったばかりである。

週刊新潮 2019年9月26日号掲載

ワイド特集「大いなる誤算」より

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