「山田孝之」の知られざる素顔 出演作品は必ず話題になる稀有な俳優

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 AV監督・村西とおる氏(71)の半生を下地にしたNetflixのドラマ「全裸監督」(シーズン1、全8話)が大ヒットしている。190の国と地域で配信されているので、莫大な収益が上がるだろう。一番の功労者は誰かというと、村西氏に扮する主演の山田孝之(35)に違いない。その仕事に目が離せない俳優の代表格だ。

 悪役と汚れ役をやりたがらない俳優は珍しくない。ところが山田孝之は、どんな役も厭わない。むしろ悪役と汚れ役を歓迎しているようにすら映る。山田が役を引き受けるかどうかの判断基準は、「俳優として面白い役か、つまらない役か」なのだろう。

 15年前、山田のインタビューをしたことがある。彼が20歳のときだ。「FIRE BOYS ~め組の大吾~」(フジテレビ)に主演中で、既に売れっ子だったが、美しい顔にはまだ幼さが残っていた。もっとも、その考え方は既に老成されていた。

 目標を尋ねたところ――。

「よく聞かれますが、僕はあえて目標を定めないようにしているんです。目標に向けて突き進む生き方もいいでしょうが、僕はまず目の前にある仕事に全力を尽くすことを心掛けたい」(山田)

 あのころも今も、現在の仕事に遮二無二に取り組んでいるのだろう。役柄が悪役や汚れ役であろうが、それは全く気にしていないに違いない。

「全裸監督」に主演することにより「CMがなくなるのでは」と周囲が懸念すると、「一向に構いません」。本音だろうが、そもそも山田に限ると、CMへの影響は心配無用だろう。

 なにしろ、TBS系(制作・毎日放送)のドラマと映画版の「闇金ウシジマくん」(2012~2016年)では違法金融を営む主人公・丑嶋馨に扮しており、むしろスポンサーはこちらを気にするはずなのだ。

 丑嶋はムチャクチャな利息で金を貸し、返済が滞ると暴力で取り立てるアウトローだった。同じアウトローでも、世間を楽しませた分、村西監督を演じるほうがスポンサー受けはいいはずだ。丑嶋役は約4年間やったが、CMには影響が出ていなかった。村西監督役も同じだろう。

 山田はどんな役を演じてもイメージが汚れない得なキャラクターなのだ。たとえば、丑嶋役を終えた後の2018年には、映画「50回目のファーストキス」で長澤まさみ(32)とのラブストーリーも演じている。

 それどころか、私生活上での問題があった際もイメージへの影響がほとんどなかった。

 2006年、元交際相手の女性との間に婚外子がいることが発覚したものの、世間からのバッシングはほとんどなかった。

 取材陣から逃げず、堂々と「認知しています」と明かし、自分のウェブで経緯を率直に説明したのが功を奏したのだろうが、得なキャラクターなお陰でもあるだろう。

 見た目が好青年なのが大きい。また、この件以外、トラブルや悪評が報じられたことがないせいもある。

 実像はどうなのか?

「ハチャメチャなのは役の上だけ。普段は礼儀正しい。特に言葉使いがとても丁寧。強く自己主張することもなく、いわゆる『いい奴』タイプ。なにより、仕事人間です。ただ、頭が良すぎて、彼のアイデアが周囲には理解できないこともある」(映像制作者)

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