大迫傑、設楽悠太はMGCで五輪内定ならずも陸連関係者は「万々歳」の理由

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 東京五輪のマラソン代表を決める「MGC」が行われ、上位2名が内定した。

 下馬評では、現日本記録保持者の大迫傑(すぐる)(28)と、前日本記録保持者の設楽(したら)悠太(27)に加え、昨年の福岡国際で14年ぶり日本人Vを果たした服部勇馬(25)と、アジア大会Vの井上大仁(ひろと)(26)が“4強”と言われた。

 結果はというと、4強で服部だけが2位に入り内定を得た。大迫はゴール直前で抜かれて3位。スタートから飛ばして35キロ過ぎまで独走状態だった設楽は、その後失速して14位。井上は最下位だった。1位で内定を得たのは、ほぼ無名の中村匠吾(しょうご)(27)だった。

 この結果に陸連関係者は、

「万々歳です」

 なぜか。

「陸連内では“4強プラス1”と言われていて、その“プラス1”こそが中村です。暑さに滅法強く、粘り強さもピカイチ。東京五輪にうってつけの選手なんです」

 3位の大迫は、冬の指定3大会で日本記録が更新されなければ代表内定だが、

「いずれにせよ3枠目は日本最速選手。“暑さに強い”“国際大会優勝経験者”“日本最速”という異なるタイプが揃い、共倒れしにくい理想の布陣になりました」

 とりわけ今大会で評価を高めたのは設楽だそうで、

「日が射して暑くなったので失速しましたが、天気予報通り気温が低ければ確実に逃げ切っていた。他の選手も“設楽が飛び出して焦った”と言ってますし、瀬古さんも開口一番“設楽の勇気に敬意を表したい”と絶賛。大一番に思い切った作戦ができる強心臓ぶりは五輪でも観てみたいですね」

 ちなみに、

「設楽は、他選手に追いつかれてから軽く流したため、余力を残して冬レースに臨める。逆に今回全力を出し切った大迫は、冬は走らずに東京五輪まで力を蓄えて、吉報を待った方がいい」

 見えては霞む東京五輪の遥けきゴール。

週刊新潮 2019年9月26日号掲載

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