筋肉一筋20年「なかやまきんに君」の魅力 実はキワモノではない、スーパーエリート

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 世は空前の筋肉ブームである。トレーニングで筋肉を鍛えるのはごく一部のボディビル愛好家だけ、という時代は終わった。今では多くのプロスポーツでウェイトトレーニングが導入されているし、一般の男性だけでなく女性がスポーツジムで筋トレに励む姿も珍しいものではなくなった。

 2018年には武田真治らが出演する『みんなで筋肉体操』(NHK)というミニ番組が話題になり、番組内で出てくる「筋肉は裏切らない」というフレーズがユーキャン新語・流行語大賞の候補にも選ばれた。武田をはじめとして、最近では筋肉を売りにするタレントが増えていて、芸人には特に多い。かつては体を鍛えることに否定的だった松本人志ですら、現在はボディビルダー並みの筋肉量を誇っている。

 そんな中で、筋肉芸人の先駆けとも言える存在が、なかやまきんに君である。彼はその芸名の通り、分厚い筋肉とそれを利用した芸だけを売りにして活動を続けてきた。筋肉一筋20年。彼こそは筋肉芸人のパイオニアであり、トップランナーである。

 きんに君が9月1日に放送された特撮ドラマ『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)に出演したことがネットで話題になった。彼は人型ロボット・ヒューマギアの「腹筋崩壊太郎」という役柄を演じた。腹筋崩壊太郎は上半身裸で、黒の短パンにサスペンダーと黒の蝶ネクタイのみ、という異様な外見。彼は芸人として遊園地のイベントに出演して、自分の腹筋を吹き飛ばすギャグで観客を笑わせていた。しかし、悪の組織「滅亡迅雷.net」の策略によってデータを書き換えられた腹筋崩壊太郎は暴走して、人間に牙をむくことになった。

 筋肉芸人として活動している彼にとって、今回の役柄はまさにハマり役だった。腹筋を崩壊させるギャグはドラマ内では派手なCGで表現されていたが、やっていること自体は普段の彼とそれほど変わらない。いい意味で派手さと幼稚さのある彼の芸が、子供向け特撮ドラマの世界観に見事にマッチしていた。最終的には仮面ライダーゼロワンに撃破されてしまった彼のことを惜しむ声は多く、「腹筋崩壊太郎ロス」という言葉もツイッターのトレンドワードになった。

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