海老蔵長男・勸玄くん人気が引っ張る、歌舞伎界空前の子役ブーム

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 この夏、歌舞伎界を見渡せば、とにもかくにも子役が目立つ。

 例えば「七月大歌舞伎」では市川海老蔵とともに長男の勸玄(かんげん)くん(6)が出演しているし、「八月納涼歌舞伎」には、中村勘九郎の長男・勘太郎くん(8)、次男・長三郎くん(6)の兄弟が揃った。さらに「秀山祭九月大歌舞伎」で人間国宝の中村吉右衛門と孫の丑之助くん(5)が共演することが決まっている。

 ざっと取り上げただけでもこれだけの子役がいる上、他にも寺島しのぶの子、眞秀(まほろ)くん(6)らも控えている活況ぶりだ。歌舞伎担当のベテラン記者が解説する。

「海老蔵や勘九郎、また尾上菊之助らが40歳前後となり、その子らが一斉に表舞台に出てきたということでしょう。歌舞伎界はいま空前の子役ブームですよ」

 流行の度合いを知るには、こんなエピソードもある。

「『七月大歌舞伎』での勸玄くん人気はすさまじく、出演する昼の部のチケットは出演しない夜の部に比べていち早く完売。夜の部は海老蔵がひとりで13役に挑むと、話題になっていたにもかかわらず、です」(同)

 他の子役が出演する場合でも、チケットの売れ行きは好調なのだという。記者が続ける。

「そのブームの理由は勸玄くん人気に集約されるんですよ。幼くして母親を喪ったという境遇から、観客は拍手を送りたくなる。それに引っ張られるように他の歌舞伎役者が“ならばウチの子も”といった形で舞台を踏ませる。チケットは売れるのだから、親も松竹もホクホク顔です」

 令和の歌舞伎界を親バカが支えているのだ。

週刊新潮 2019年9月5日号掲載

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