韓国が福島の「放射能汚染」をいつまでも言い続けるせいで、風評被害が収まらない

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世界で一番安全

 では、被曝をそれだけに抑えるために、食品に含まれる放射性物質は、どこまで許されるのか。松本准教授によれば、

「国は食品が含むセシウムの量を、1キログラム当たり100ベクレル以下、と定めています。ただし、これは食品の50%が汚染されているという前提で算出された数字。コーデックス委員会やEUはこの割合を10%、アメリカは30%としているので、日本の食品に関する放射性物質の基準は、海外の10倍程度厳しくなっています」

 むろん、基準が厳しかろうが、そこに引っかかる食品が続出しているようでは、安全性への懸念が生じても仕方ないが、

「放射性セシウムの濃度が基準値を超える食品は0・1%以下」

 と、松本准教授。福島県出身で震災当初から支援活動を行っている元徳島大講師の佐瀬卓也氏も、

「放射性物質の検査は国のガイドラインを元に各自治体が実施しますが、さらに農協や漁協も自主検査を行い、二段構えになっています。万一、基準値を超えれば回収、廃棄され、県域または県内の一部の区域を単位として、出荷制限等が行われる仕組みです」

 と前置きし、こう続ける。

「震災後2、3年は水産物等に検査段階で基準値を超えるものが比較的多く存在しました。しかし、水産物でも海産種はここ数年、基準値超過なしが続き、淡水種も基準値超過は1%前後にまで下がっています。山菜やきのこ類は、カリウムと似た性質のセシウムを取り込みやすいので、当初は基準値超えが見られましたが、現在は検出例がきわめて少ない。それに仮に基準値を超えた食品を食べても、数百キロ以上食べないかぎり1ミリシーベルトの被曝に達しないので、現実には安全です」

 また福島県では、牛は全頭検査が行われ、

「コメも、サンプル検査ではなく全袋検査が行われていて、2015年から現在まで基準値超えは一度もありません。世界的に見ても、放射性物質の検査をここまで厳密にやっているところはありません。ほかの食品も、放射性物質の検出は非常に限定的で、厳しい検査態勢と国際基準より厳格な基準値を考えると、ある意味、福島県および日本の食品は世界で一番安全だとさえ言えます」

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