「監察医 朝顔」「おっさんずラブ」「家売るオンナ」の共通点 ドラマ界に異変

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共通項は「女性」

 どのテレビドラマや映画を観るか、世の中の大半の人は、出演する俳優や監督で選ぶはずだ。特に映画は有名監督を信奉するファンがいる。日本なら黒澤明(1910~1998)や、小津安二郎(1903~1963)が筆頭格だ。

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 ドラマや映画を制作する際、本来ならプロデューサーは監督と並ぶ重要なポジションだ。文字通りの総責任者。アメリカのアカデミー賞で「作品賞」はプロデューサーに渡される。

 ならばプロデューサーの名前で、観るドラマや映画を決める人がいてもおかしくない。ところが、なぜか少数派だ。

 ところが今、テレビの世界では新しいタイプの名プロデューサーが誕生しているという。ひょっとすると出演者や監督、脚本家より、今後は「プロデューサーは誰か」という観点でドラマを選ぶ人が増えていくかもしれない。

 民放キー局の幹部社員は、「今、若い女性がプロデューサーを務めたドラマにヒット作が相次いでおり、テレビ業界で注目を集めています」と明かす。

「例えばフジテレビの『監察医 朝顔』ですが、8月19日に放送された第6話は視聴率が14・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)に達し、“月9復権”と話題です。このドラマのプロデューサーは金城綾香さんという女性です。しかも1987年生まれの31歳という若さ。プロデューサーといえば、『ディレクター歴も長い、ベテラン男性』というイメージが強いですからね。話題になるわけです」

 金城プロデューサーは「5→9~私に恋したお坊さん~」(2015年)が初プロデュース作品。18年に「グッド・ドクター」がヒットして注目を集めた。

 ORICON NEWSは7月22日、「月9『朝顔』Pインタビュー、誕生きっかけは『上野樹里との出会い』『1話完結ドラマへの違和感』に」の記事を掲載した。この記事の中で金城プロデューサーは「朝顔」の原点が、「グッド・ドクター」で上野樹里(33)と仕事をしたことだと明かしている。

 金城プロデューサーには“ライバル”も存在し、すでに対談の場を提供したメディアもある。マイナビニュースは2月6日、「日テレ・小田玲奈×テレ朝・貴島彩理ドラマP対談(前編) バラエティの『やっちゃえ!』発想」という記事を掲載した。こちらについても、前出の幹部社員に解説をお願いしよう。

「日テレの小田玲奈プロデューサーは1980年生まれ、今年で39歳。03年に入社し、最初はバラエティ畑を歩んでいました。16年にドラマ『家売るオンナ』を初プロデュースし、続いて『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』も制作。今年は『家売るオンナの逆襲』が注目を集めました」

 対談の相手役を務めた、テレ朝の貴島彩理プロデューサーとなると、金城プロデューサーや小田プロデューサーよりも更に若い。

「1990年生まれで、何と29歳です。18年に『おっさんずラブ』を制作して大きな注目を集め、今年は劇場版の制作にも名を連ねました。ちなみに彼女のお父さんもTBSの名プロデューサーだった貴島誠一郎さん(61)で、佐野史郎さん(64)が演じる“冬彦”が社会的現象になった『ずっとあなたが好きだった』(92年)や、『愛していると言ってくれ』(95年)が代表作です」(同・幹部社員)

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