スーパーにあふれる「発がん性」有害物質 EU指標をオーバーした商品の実名

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市販される人気商品の「アクリルアミド」濃度

 もちろんメーカーはアクリルアミドの濃度について自主的には公表していない。そこで、大手メーカーの主力商品について、ISO取得の検査機関に依頼し、濃度を独自に調査した。その結果が表(2)、(3)である。一見してポテトチップスの値が高いことがわかる。中でも、業界の二大メーカー、「カルビー」「湖池屋」の値が群を抜いて高かった。

「アクリルアミドは意図せずできてしまうもの。食品添加物のような意図して加えるものではないので国の管理が利きません。遺伝子を傷つける作用を持っているので、わずかでも存在すれば、細胞をがん化させる可能性が上がる。そのため、この量までなら大丈夫という許容量を設けることが難しい。できる限り量を減らす必要があります」(畝山部長)

 海外に目を向けると、アメリカのカリフォルニア州では昨年、裁判所が「コーヒーに、発がん性成分が含まれるとの警告表示が必要だ」との判決を出している。またEUでは、食品ごとにアクリルアミドの「指標値」を設定。これを超える商品があった場合は調査するよう、加盟国に勧告を出した。ポテトチップスの場合、その指標は0・75mg/kgだから、上の「カルビー」「湖池屋」の商品はそれを上回っているのである。

 これらへの対策は、第一にこうした加工品を常習的に食べ過ぎないこと。とりわけポテトチップスは、

「アクリルアミドに加え、糖質の過剰摂取や、変性した油など、健康を害する要素をたくさん持っている。“避けるべき食べ物”と言っても差し支えない」(AGE牧田クリニックの牧田善二院長)

 というように、気を付けたいお菓子である。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年6月20日号掲載

特集「あなたの食卓に『発がん性料理』」より

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