働き盛り世代を襲う「スマホ認知症」の恐怖

ライフ 週刊新潮 2019年8月8日号掲載

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スマホを使うほど学力低下…7万人調査

 海外でもIT依存は問題になっており、『デジタル・デメンティア(デジタル認知症:デジタル認知障害)』などと呼ばれていると、奥村氏は続ける。

「IT先進国の韓国でも、バランス脳センターのビョン・ギウォン医師が“デジタル機器に頼りすぎた若者には、脳損傷者や精神疾患患者と同じような認知能力の低下がみられる”と報告していますし、ドイツのマンフレッド・シュピッツァー医師は、大人だけでなく子供の脳にも悪影響をもたらすと指摘。警戒する動きは、世界的に広がっています」

 実際、日本医師会と日本小児科医会が17年2月に発表したポスターには、こんなフレーズが書かれて話題となった。

〈スマホを使うほど、学力が下がります〉

 これを裏付けるデータが、文科省による「全国学力・学習状況調査」である。小学校6年生の場合、携帯電話やスマホの使用時間が1日30分未満の生徒は国語の試験結果が74点なのに対し、4時間以上だと62点と低い。同じ条件で算数なら79点と66点となった。中学3年生でも、国語で82点に対し73点、数学は72点と55点だったのだ。

 東北大学の川島隆太教授と仙台市教育委員会が7万人規模で行った追跡調査は、もっと深刻な結果を示した。

 たくさんの種類のアプリをいじっていた生徒ほど、数学・国語・理科・社会の平均点が低くなったという。例えば、「2時間以上勉強していて、3つ以上のアプリを使う子」は、「ほぼ勉強しないで、スマホを使わない子」よりも平均点が低くなってしまったのである。

 川島教授が解説するには、

「調査で明らかになってきたのは、スマホを使い続けると成績は下がり、使っていないと若干上がっていく。途中で使いだせば、良かった成績が下がりだすということです。スマホを長時間使う子供たちは、脳の発達に悪影響が生じていることが想定できると思います」

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