「幸せにやせたい人」はどうするべきか 摂食障害の専門家が教える“唯一の方法”

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一般に、ダイエットは成功しない

「雑誌などのダイエット特集は、効果がないと言って良いでしょう。ダイエットを行った方の多くは、短期的には成功しますが、リバウンドして元に戻ってしまいます。体重が落ちたとき筋肉が落ち、リバウンドしたときは脂肪からつきます。元に戻るどころか、よりぽっちゃりした身体になってしまいます。或いは、ダイエットを続けてどんどんやせていけば、今度は摂食障害という病気が待ち構えているのです」

 ダイエットを成功させる方法は、ひとつしかない。

「本の中で紹介した大学生のナナさんの例を挙げてみましょう。彼女はジャンクフードをよく食べ、運動の習慣がなかったため、脂肪質の身体でした。彼女はジャーナリストになりたいという夢があったので、今の身体ではきびきびと動けないと思い、肉体改造を決意しました。最初に始めたのが食事制限でした。もっともっとという気持ちが強くなって、食べたいものを我慢したところ、集中力を欠き、友達の誘いも断るようになり、自分がおかしくなっていくのを感じました。このままでは摂食障害になるという恐怖に襲われたのです」

 そのためナナさんは、大きく方向転換をしたという。

「食事を減らすのをやめ、身体に良い自然食を食べるようにしたのです。また、身体を鍛えるための運動を始めました。1日30分のランニングをスタート。ただし、体調の悪いときや雨の日は休むことにしたのです。甘いものが食べたいときには、あえて我慢せず、罪悪感なく堪能した。質の良い食べ物を十分に食べた後ですから、少量で満足することができたそうです。ランニングしているときも、自分のために良いことをしている、と満足感を持てるようになった。その結果、体重が3キロほど減り、筋肉質でキビキビ動ける身体を手に入れたのです」

 身体に良いライフスタイルに変えることが重要だという。

「ナナさんが成功したのは、“やせなければ”、という強迫観念から脱することができたからです。体型のためのダイエットをやめ、体質改善に焦点をあてた。結果的に体重が減りましたが、これは、健康な習慣というプロセスを積み重ねた結果、自然と起こった現象です。3キロやせなければ、という思いでやせたのではないのです。これが、やせたいという強迫観念から解放されたダイエットといえます。その根底にあるのは、自分の身体への愛情です。幸せにやせる人になるためには、無理をせず時間をかけて、身体が良くなるようにライフスタイルを変えていく。そして、そのライフスタイルが好きになれば、ダイエットは成功します。無理にライフスタイルを変えていけばリバウンドが起こります。ジャンクフードばかり食べていたナナさんは、最初、自然食品は美味しいと感じなかったものの、そのうち美味しく感じるようになり、ジャンクフードが食べられなくなったそうです。ジャンクフードや運動不足は、身体への愛情を欠いたものだったわけですね」

週刊新潮WEB取材班

2019年7月22日掲載

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