中日・根尾昂はイップスか? それでも首脳陣が心配しない「対策」事情

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

 昨秋のドラフトの目玉は、なんと言っても大阪桐蔭高の根尾昂(あきら)(19)だった。4球団が競合し、見事、中日ドラゴンズの与田剛監督が引き当てたのだが、始まってみれば2軍のなかでもワースト記録ずくめ。這い上がる余地はあるのか。

 甲子園の春夏連覇の立役者でドラフトの華。その成績が、2軍で55試合に出場して打率1割6分、三振67、失策14(6月27日現在)。いずれもが、2軍の野手のなかでもワーストの記録なのである。だから、

「精神的な原因で思い通りのプレーができない“イップス”になっているのではないでしょうか」

 さる野球ジャーナリストはそう言って、続ける。

「根尾君は元来、考えすぎで、自分を追い込んでしまうタイプ。最初のキャンプとオープン戦で躓いたのを引きずっているのでしょう。試合でも、焦りが表情に出てしまっていますが、こんな成績でもネームバリューがあるので試合に出す。もう少し余裕がある育成をする日本ハムのような球団に入ったほうがよかったかもしれません」

 このまま潰れてしまうこともあり得るか。だが、ドラゴンズの番記者は、

「根尾本人も焦りを感じているはずですが、首脳陣は、今年中に1軍で活躍してほしいと思っていません」

 と、根尾の現状を次のように解説してくれる。

「根尾は打撃、守備ともに振るいませんが、一番苦労しているのは守備。2月のキャンプの時点で、荒木雅博2軍内野守備走塁コーチは、“守備に関してはボールへの体の出し方、グラブの出し方、グラブで捕球した後のスローイングと、一から十まで直すところがいっぱい”と言っていました。特に苦労しているのはセカンドへの送球です。高校までピッチャー中心でショートの経験が浅いからか、目の前にセカンドがいるのに思いきり投げてしまったりする。セカンドを守っている人は、至近距離から剛速球を投げられ、捕球できずにエラーする。荒木コーチに力加減を教わって最近は送球もよくなり、セカンドへのスナップスローもできるようになっています」

次ページ:センターに転向しても

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。