暴力団への「闇営業」でメシが食えた元吉本芸人の懺悔録

芸能週刊新潮 2019年7月11日号掲載

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そんなに悪いか「吉本の闇営業」(2/2)

 雨上がり決死隊の宮迫博之らが処分された「闇営業」問題。明石家さんま、岡村隆史といった芸人からは“直(ちょく)の仕事”が必要な現実と、それゆえ反社会的勢力とつながったことへの嘆きの声も上がる。主戦場がテレビに移ったことで、芸人にも、一般市民と同じ法令順守の意識が求められる時代。ゆえに「破天荒な芸人がいなくなった」と、演芸評論家の保志学氏はいう。

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 破天荒な芸人がいた時代を知る、元「コメディNo.1」の前田五郎に聞いた。

「今回の問題で、宮迫と田村(亮)のほかはみんな中堅以下の芸人。それをこうやって潰してしまったら、彼らはどうやって生きていったらええんや。芸人やってて稼ごうと思ったら直もやらなあかんのです」

 時は1970年前後。

「1日3回の出番をこなしても月収が5千円程度ですよ。定食屋で、焼きそばにちょっとなにかつけて100円ちょい。とてもやないけど生活できません。ギャラも、9対1で吉本に持っていかれるし。月亭可朝が吉本を辞めて独立後に初めて読売テレビから直接ギャラをもらい、仰天したらしいですわ。額面で12倍に増えてるいうて、もらい過ぎやから返しにいこうとしたらしい」

 当時は横山やすしが絶頂期にあったが、

「タクシー運転手をぶん殴る事件を起こして謹慎。それで『やすきよ』の仕事が回ってきて忙しくなった。直の仕事もぎょうさん入るようになって相方(坂田利夫)と走り回りました。1回100万の仕事もあった。それはもちろん、ヤクザや。ふつうのイベントやったらギャラは20万、同じような仕事をしてヤクザのとこは最低60万もらえましたね」

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