吉本の闇営業、そんなに悪いのか? さんま、岡村隆史らが次々語り出した胸のうち

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そんなに悪いか「吉本の闇営業」(1/2)

「雨上がり決死隊」の宮迫博之に「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮、「スリムクラブ」といった芸人が、反社会的勢力の会合に出て処分された。この「闇営業」問題に、そしてその背景に、明石家さんまをはじめとする有名芸人が次々と胸の裡を語り出したのである。

 ***

〈「野球賭博はなんであきまへんのや」

 若い方の刑事が呆れ顔で答えた。

「暴力団の資金源になっとるからに決まってるやろ」

 そこで可朝は膝を叩いた。

「それやったら大丈夫ですわ。わし、トータルで勝ってますさかい、暴力団の資金を吸い上げてるいうことですわ。お上から表彰状もろうてもええんとちゃいまっか」〉

 カンカン帽にメガネとちょびヒゲでお馴染み、月亭可朝(つきていかちょう)が、野球賭博で捕まったときのやりとりだという。作家の吉川潮氏の著書『月亭可朝の「ナニワ博打八景」』から引いた。

 話芸は一流でありながら、無類の博打好きで艶福家。落語家タレントのはしりでもある。そんな噺家は、昨年春、80年の生涯を閉じた。ベテランの芸能担当記者が述懐する。

「人間国宝の桂米朝に師事した可朝さんは、実は、1979年に野球賭博で逮捕されるまで吉本興業に所属していたんです。可朝さんはよく、自身の逮捕歴もネタにしていました。たとえば旧知の後輩、明石家さんまさんと新幹線で会ったときの噺などは秀逸です」

 その一部を再現すれば、

「最近、挨拶がないやないかとさんまに言うたら、“兄さん、テレビがむちゃくちゃ忙しいねん”やと。悔しいから、“テレビに出てる言うてもお前はバラエティーやろ。わしは報道番組に出とる”、言うたった」

 と、こんな具合。芸能担当記者によると、なんでもかんでも笑いに変えてしまう可朝には後輩思いの一面もあったそうだ。

「吉本時代、ギャラを満足にもらえない後輩のために、ギャラの引き上げを会社にかけ合ったことがあるそうです。すげなく断られたうえに可朝さんのギャラも下げると言われて撤退したそうですが。でも、さんまさんがいま、似たような行動に出ている。なんとなく、因縁を感じてしまいます」

 この可朝と似たような行動については、さんま自身が語っている。6月29日放送のMBSラジオ「ヤングタウン土曜日」で、

「入江にはすごく世話になっているので、入江が“さんまさん、お願いします”って言うてたら、俺は絶対に行ってたよ」

 言うまでもないが、入江とは「闇営業」の仲介役、「カラテカ」の入江慎也である。さんまは彼にレア物のパーカーやトレーナーなどを手に入れてもらったことがあるといい、

「それがもし、その人ら(反社会的勢力)のルートなら、僕、謹慎します。その人らから手に入れたのならあかんよな」

 吉本興業をクビになった入江に同情し、救ってやるかのような発言。そして可朝に倣ったか、後輩芸人への助け舟を出したのである。

「前から、中堅の人たちに言われているんですよ。“ギャラ上げてほしい。さんまさんから言ってもらえませんか”と。社長には言ったことあるんです。“もうちょっとギャラ上げたってくれ”と。ギャラさえ上げれば、ああいう仕事も行かなくて済むんですよ。こんなラジオで言っている場合じゃないんですけれど。僕が、(吉本の)岡本(昭彦社長)に言ったらええだけのことなんですけれど」

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