拳銃強奪の飯森容疑者「同窓会テロ」を計画していた説が浮上

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送付先は50人

 大学を卒業後、飯森は海上自衛隊に入隊する。が、わずか半年で除隊。その後は生協の宅配でアルバイトをしたり、フジの系列局、岩手めんこいテレビ関連の制作会社でVTRをチェックする業務に就いたほか、盛岡市内のスーパーで働いたりもしたのだった。

 しかし、どの職場も1年と続かず、昨年11月から東京都内のゴルフ練習場で働き始める。

 関係者によると、

「彼はハローワークの障害者雇用枠で採用し、統合失調症だと聞きました。時給990円でクラブハウスや駐車場のごみ拾い、床や窓磨きなどをしていました。問題を起こす印象はなかったものの、仕事中ボーッとしていることが多かった」

 そして、犯行5日前、11日の夕方に、

「“幻覚の症状が強くなりそうだ”と相談があり、6月一杯休む運びとなったのですが、15日の夜に“体調が良くなってきたので、また25日から働きたい”と電話があったのです」(同)

 その言を信じるならば、犯行前夜には、何やら「体調の好転」を感じていたらしいのである。

 さて、そんな飯森から声をかけられた同級生は、

「久しぶりにフェイスブック経由で彼から連絡が来たのが今年2月。同窓会をしたいってね。今から8年ほど前に中学の同窓会を地元・吹田の居酒屋でやった際、あいつは来てませんでした。そやから同窓会やりたいんかなぁ、と単純に考えてました。いきなり合計50人くらいにメッセージを送りつけてたみたいです」

 この友人は不思議に思ったことがあると言い、

「中学時代の野球部の顧問の顔写真が欲しいと友達に頼んでたんです。それと気になるのはあいつが東京に出た直後、本人から“家族のことは嫌いや、仲は良くない”と聞かされたヤツもいること。何を考えてるかわからへん。同級生の住所を集め、同窓会を開いてテロでもやる可能性はあったかも。怖いですわ」

 エリート一家の中で自分だけが転落した。その原因を中学時代からの同級生らに転嫁し、歪んだ憎悪を増幅させていたのか……。

 同窓生の連絡先。それを飯森は巧妙に“利用”している。110番で「空き巣被害に遭った」とその名前と住所を告げ、交番から署員をワラワラと出動させて、相手の隙を窺ったのだ。

 別の同級生は、ニュースに接してアッと声を上げた。

「あいつが箕面市の山奥で見つかったっていうじゃないですか。高校時代、原チャリに乗り始めた友達らを集めて、初めてみんなで行ったのが観光名所の箕面の滝でした。僕らの思い出の場所なので、すぐにピンときたんです」

 彼は箕面の山懐でベンチに身を横たえているところを発見された際、レジ袋の拳銃に手を伸ばそうとした。果たして何を考えてのことだったのか――。

週刊新潮 2019年6月27日号掲載

特集「父は関西テレビ常務『拳銃強奪犯』が計画した『同窓会テロ』殺しのリスト」

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