石原裕次郎愛用のキャンピングカーを「ヤフオク」で490万円で落札した男

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1960年ごろから

 石原プロの浅野謙治郎専務が明かす。

「実は、あのシビリアンは、解体する予定でした。裕次郎さんが亡くなってからは大きな倉庫に保管していたのですが、数年前にそこを引き払い、事務所近くの駐車場に置いていたのです。長いこと雨ざらしだったので錆だらけで動かなくなっていました。解体屋に出したあと、ファンの方がわざわざ九州から事務所に来られてね。大事にしてくださるというから、昨年の春、無償でお譲りしました」

 譲り受けた男性(49)に訊ねると、

「私は車の部品販売などの仕事もしていて、その筋から解体予定との情報を教えてもらいました。内装をクリーニングして錆やエンジンも直し、車検を取りました。排ガス規制もクリアして、全国どこでも乗れるようにもしましてね。ふだん乗り回しはしませんでしたけど、熊本と宮崎でクラシックカーの集まりに出したりしてはいたんですよ」

 ところが、新たに立ち上げる事業で資金が必要となった。男性はヤフオク出品前に石原プロに赴き、承諾を得たという。落札したのは、愛知県内で車の整備や修理を手がける「植田自動車」の植田邦仁社長。御年72歳、筋金入りの裕次郎ファンである。話を聞こう。

「1960年ごろからだからね。当時、ジュークボックスで裕次郎ばっかり流れていて、好きになりました。映画も好きだけど、やっぱり歌が好き。いまもカラオケでは裕次郎しか歌わん。『泣かせるぜ』とか『恋の町札幌』ね。デュエットはもちろん“銀恋”です」

 オークションのことを知ったのは、たまたまだった。

「テレビの裕次郎特集を見ていたら、最後にちらっと、この車が出品中と出た。その瞬間、いつ死ぬか分からんから、欲しいもんは買ったほうがいいと思ったんです。内装も外装も当時のままですけど、ホイールとかを少し直したいので、まだちょっとしか乗ってません。テレビはオリジナルのままがいい。地デジのアンテナをつけようと思っとるよ。7月に開く会社のバーベキュー大会で、みんなに見せようと思っています」

 サングラスやブランデーグラスなんかの小物も揃えるのだろうか。

週刊新潮 2019年6月13日号掲載

ワイド特集「どうにもとまらない」より

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