中年ひきこもり「川崎事件」型と「次官事件」型では生活様態がまったく違う
カリタス小学校の児童らを襲撃した「川崎事件」と家庭内暴力の末に実父が我が子を殺害した「次官事件」。立て続けに起きたこれら二つの事件の当事者は、同じひきこもりでも、生活態様はまったく異なっていた。だが両者こそ、ひきこもりの二大類型と言えるのだという。
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「いろいろな方を見てきて、ひきこもりは大きく二つに分けられると感じています。川崎の岩崎隆一容疑者のように家庭内暴力がない、おとなしいタイプ、もう一つは亡くなった熊沢英一郎氏のような家庭内暴力を伴うタイプです」
と語るのは、精神科医の片田珠美氏である。
「家庭内暴力が激しいタイプは、親を責めたてます。俺がこんなになったのはお前のせいだ、自分がうまくいかないのは全部親のせいだと責める。彼らは、ある時期までは勉強ができて、その自負が本人を支えていることが多い。でもその後にうまくいかなくなって、それをすべて親のせいにして暴力にいたるのです」
このタイプは、幼いころから勉強を強要され、友達と遊ぶことやテレビゲームを禁じられるようなエリート家庭に多いという。
一方「おとなしい」ひきこもりタイプというのは、
「親を責めてもどうしようもない、という気持ちを強く持っている。彼らは家族とは距離を取ります。岩崎容疑者の場合は実の親ではありませんが、伯父夫婦と住んでいて、育ててもらった恩は感じながらも接触はせず、微妙な距離感を持って生活していました。そしてひきこもりを『否認』し、絶妙なバランスの中で日々を安定させてきたのだと思います」
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