トランプ夫妻「大相撲ショー」観戦のあまりにも滑稽な舞台裏

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折れた協会

 千秋楽の当日、5月26日には金属探知機などを使った手荷物検査が行われ、凶器になる可能性があるビン、缶、ペットボトルの持ち込みは禁止された。飲み物を持って入るには紙の容器に移し替えなければならず、その際、“毒見”として一口飲むことまで要求したというから驚くべき徹底ぶりである。館内にある自動販売機も販売中止となり、「休場」と書かれた紙が貼られた。

「館内で警戒にあたった警察官やSPの数は100人超。相撲協会は当初、国技館内に制服警官が多数配置されることに難色を示したといいます。雰囲気が悪くなる、というのがその理由でしたが、最終的には協会側が折れたようです」(先の全国紙デスク)

 物々しい雰囲気の中で取組が続く館内がザワついたのは、残り5番となった午後5時前。通路の奥からアメリカ政府高官らしき人物やシークレットサービス(要人警護隊、SS)が現れ、観客の中には「大統領コール」をする人も。場内アナウンスの後、トランプ大統領夫妻と安倍総理夫妻が姿を現すと、館内は拍手の渦に包まれた。「U・S・A!」の連呼も聞こえ、さながらお祭り騒ぎである。トランプ大統領の姿を一目見ようと総立ちになった観客の多くはスマホを掲げている。トランプ大統領がゆっくりと席まで歩き、場内を見渡しながら観客に向かって手を振ると、大きな歓声があがった。ただし、歓迎ムード一色だったというわけではなく、

「トランプ大統領たちが入場したのは、取組と取組の間。その際、場内が騒然として数分ほど進行が中断してしまい、“早くしろよ!”というヤジがちらほら飛んでいました」(先の相撲記者)

週刊新潮 2019年6月6日号掲載

特集「『政府高官』がほのめかしていた『鶴竜』の忖度 安倍総理のおもてなしは『トランプ夫妻』に『座布団飛ばない大相撲ショー』」より

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