「令和ご朱印」転売続出でスタンプラリーに成り果てたブームの末路

国内 社会 週刊新潮 2019年5月30日号掲載

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ご朱印先行型

 ご朱印研究家の村上哲基氏が解説する。

「そもそもご朱印の起源は鎌倉時代にはすでに存在していた六十六部という行者にまでさかのぼることができます。全国66カ所の神社やお寺に法華経の写経を奉納し、受け取りの証明をもらっていました。時代は下って、19世紀に入ると庶民も旅行できるようになり、手作りの納経帳が広まっていきました。最近では、限定ご朱印も登場し、それがSNSで拡散されることでブームが過熱していったのです」

 宗教学者の島田裕巳氏は、

「平成に入ってから、初詣など神社仏閣への参拝客が減っているのも事実。そこで、人を集める手段として特別なご朱印を作った。今回の事態を招いたのは神社仏閣にも一つの要因があったと思います」

 と、神社側の苦しい台所事情を説明する。結果、

「いまは参拝もせずにご朱印だけ手にする“ご朱印先行型”の人が増えています。何のためのものか、もはや分からなくなってしまいました」(同)

 文字通りのスタンプラリーに成り果てたのだ。

「日本人もここまでダメになったかという思いです」

 そう語るのはジャーナリストの徳岡孝夫氏。

「本来、参拝して受け取るはずのものを転売によって手にするのであれば、ご朱印を集める意味はありません。四国八十八カ所に代表されるように、苦労して巡り歩くという行為に価値がある。ご朱印を大事にする、今はもうそういった時代ではないのだ、という寂しさを感じますね」

 売る方も買う方も転売する方も五十歩百歩。古来、庶民が崇める“スター”だった神々から、溜め息が聞こえてきそうだ。

ワイド特集「スターの代償」より

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