丸山穂高が酔って暴言「女を買いたい」「俺は国会議員だ」日ロ交渉に恥の歴史

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「女を買いたい」

 参加者の一人が続けて言う。

「丸山さんは『外に出せ!』と騒ぎながら『俺は女を買いたい』という趣旨のことを叫んでいました。外に出たら大変なことになりますから、周囲は彼を止めようと必死で、外務省の職員や事務局の人が入口を塞ぐような態勢をとったのですが、本人は『何で出られないんだ。俺は国会議員だから逮捕されないんだ』などとしつこく絡んでいました。実際には関係なく逮捕されてしまうのですが、そうやって乱れながら、ホールで行なわれていた団長へのインタビューに割り込み、一連の“戦争発言”を繰り返したのです」

 降って湧いた格好の狼藉者を、周囲は懸命に、かつ丁重に自室へ連れ戻そうとしたのだが、

「そのたびホールに戻ってきて、またわめき始める。かと思えば、自室を抜け出して、休んでいる他の団員の部屋をドンドン叩いたり、トイレと間違えてシャワールームに入り込んだりと、散々でした」(同)

 大騒ぎしたのち、深夜になって議員はようやく眠りについたという。

「訪問団は当然、議員の振る舞いを腹に据えかねていました。で、一夜明けて朝食の際、前夜の様子を本人に説明したのです。本人も何となく覚えている様子でしたが“このままでは収拾がつかない”と周りが説得し、彼はひとまず座ったまま謝った。ですが、それでは皆の気持ちが収まりませんでした。それで昼食時にもう一度、今度は立って謝罪することになったのです」(政府関係者)

ロシアに“借り”

 元時事通信モスクワ支局長で拓殖大学海外事情研究所の名越健郎教授は、

「現在のところ、返還交渉は暗礁に乗り上げた感があります。6月のG20でプーチンが来日しても交渉は進みそうにない。それでも、外交は心理戦が重要。見えない部分での影響は少なからずあり、丸山発言をことさら問題視しないというロシアの態度は、日本側からすれば“借り”を作った形にもなりかねない。負い目を感じることで、交渉において弱い立場に立たされるおそれもあるのです」

 まさしく百害あって一利なし。長年、北方領土問題の解決に取り組んだ元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏も、あらためて指摘する。

「そもそも、ビザなし訪問というのは『ガラス細工』のようなものです。日本政府は国民に対し、パスポートを持ちビザを取得しての渡航はしないように、と自粛要請をしています。その代わり『我々の領土に行けないのはおかしい』からと、特別の枠組みである“ビザなし”を作っているのです」

 こうした訪問では、国内の手続きとして外務大臣が発行する「身分証明書」と「挿入紙」の二つが必要だといい、

「ロシア側はこの二つをそれぞれパスポートとビザと見なし、正式な入国手続きとしている。そこでは、お互いの立場については詰めないことになっています」(同)

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