足立康史議員炸裂「共産党は破防法の監視対象」ってどういうこと

政治2019年3月12日掲載

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「ある党」への批判

 共産党が怒っている。というといつものことのようであるが、今回の相手は安倍総理や現政権ではなくて、野党議員である。
 3月2日の衆議院本会議で足立康史議員(日本維新の会)は、「現在の政府与党よりもウソつきがいる」といって「ある党」への批判を口にした。
 足立議員は、「ある党」の党名は挙げないまま、「破防法(破壊活動防止法)に基づく調査対象団体」と表現し、さらに「破防法の監視対象である政党と連携する政党がまっとうな政党を標榜するのはおかしいし、そう考える国民は少なくない」という自説を展開。そして、「まっとうな政党」は「自民党」と「日本維新の会」だけである、と主張したのだ。

 補足しておけば、ここで「破防法の監視対象」と言われている政党は「日本共産党」。そして「連携」しようとしているのは、「野党共闘」をしようとしている旧・民主党系を中心とした野党のことだ。
 共産党は、そもそも破防法の監視対象とされている点に常々不満を感じていたので、改めてここでその話が持ち出されたことに対して、反発しているというわけだ。小池晃書記局長は、足立議員の発言に対して「時代錯誤のとんでもない攻撃だ」と記者会見で批判をしたとも伝えられている。
「事実無根」ではなく「時代錯誤」というのは、なかなか深い表現で、「昔はワルだったけど、今は違うんだからさ」と言っているように取れなくもない。
 そして共産党側の気持ちはさておいて、彼らは現在も破防法の調査団体ということになっている。なぜそうなるのか。『日本共産党の正体』(福冨健一・著)をもとに解説してみよう(以下、引用は同書より)

「2016年3月14日、衆議院議員の鈴木貴子が、『日本共産党と〈破壊活動防止法〉に関する質問主意書』を政府に提出し、共産党は破防法の調査団体かどうか確認を求めています。これに対し政府は、
『日本共産党は、現在においても、破壊活動防止法に基づく調査対象団体である』
『いわゆる敵の出方論に立った〈暴力革命の方針〉に変更はないものと認識している』
『日本共産党が、昭和20年8月15日以降、日本国内において暴力主義的破壊活動を行った疑いがあるものと認識している』
 という答弁書を3月22日、閣議決定しています」

 要するに、2016年の時点で政府は、日本共産党は過去に国内で乱暴な破壊活動をやった疑いがあるし、いまでも「暴力革命」をする可能性がある団体だという認識だ、と言っているのだ。

 もちろん、この認識に共産党が黙っているはずはなかった。

「答弁書に対し共産党書記局長の山下芳生(当時)は、
『公安調査庁は36年間調査したが破防法の適用申請を一回もしていない』
『わが党は正規の機関で〈暴力革命の方針〉をとったことは一度もない』
『憲法上の結社の自由に対する侵害だ。厳重に抗議し、答弁書の撤回を求めたい』
 など、政府答弁書の撤回を要求しています」

不破委員長の「軍事方針」

 このあたりのことは、世代によって受け止め方が異なるところだろう。ただ、実際に共産党がなかなか荒っぽい革命方針を掲げていた時代があったのは事実である。
 たとえば、かつて党書記局長をつとめた不破哲三は、自著で次のような「軍事方針」を語っている。

「われわれが軍事組織をつくり武装し、行動する以外にない」

 これは1951年の段階での方針。ここでの「軍事」や「武装」は比喩でなくて、そのままの意味である。この方針が掲載された非合法雑誌には、「軍事組織をつくること」が推奨されていたり、「火焔手榴弾などの製造法」が紹介されていたりしたというからすさまじい。
 これに限らず、当時の彼らはなかなか物騒なのだ。

「(共産党の)51年綱領は、『日本は、アメリカ帝国主義者の隷属のもとにおかれ、自由と独立をうしない、基本的な人権さえうしなってしまった』とアメリカをアメリカ帝国主義者と批判しています。同時に、『日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである』と、これまでの『平和革命論』と百八十度違う『武装闘争必然論』を掲げています」

 もちろん、この路線で今日まで突っ走ったわけではなく、1958年には別の方針が打ち出される。これが上に述べた「敵の出方論」というものだ。

「『どういう手段で革命が達成できるかは、最後的には敵の出方によってきまることである』
 こういう考え方に修正をしたのです。つまり、革命の方法論は、GHQ占領下では『平和革命論』、51年綱領では『暴力革命論』、61年綱領以降は『敵の出方論』と変化してきたのです」

 1961年といえばもう半世紀も昔の話じゃないかと思われるかもしれないが、実はこのあと長いあいだ、同党の綱領は大きく変わらず、大幅な変更が加えられたのは2004年になってからだ。
 ここではさすがに「武装」「敵」といったワードは消えている。とはいえ、「アメリカ帝国主義と日本独占資本を倒して民主主義革命を行う」「民主連合政府による民主主義革命は多数者革命である」といったあたりに、昔の名残を感じる向きもいることだろう。
 著者の福冨氏は、
「共産主義社会の到来は必然とする史的唯物論には無理があること、日米安保条約の破棄は日本の安全を危険に晒すこと、生産手段の社会化は日本経済に大きなダメージを与える危険があること、社会主義への道の具体像を示していないこと」などを根拠として、共産党の主張の危険性に警鐘を鳴らしている。

デイリー新潮編集部