物言う株主・村上世彰に狙われたヨロズ会長語る「嫌いじゃないしある意味魅力的だけど…」

企業・業界週刊新潮 2019年5月23日号掲載

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 LIXILグループ(以下、リクシル)に勃発したお家騒動。その裏で、あの村上世彰氏(59)が潮田洋一郎会長兼CEO(65)に“直言”していたことが明らかになった。かつて「村上ファンド」を率いた氏は、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引疑惑で逮捕された。一度は身を引いたはずの「物言う株主」が、ここに来て、再び猛威を振るい始めている。

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 ジャーナリストの高橋篤史氏によれば、

「事件後、シンガポールに拠点を移した村上氏は不動産投資を手掛けるようになった。株の世界に舞い戻ったのは2012年頃からです」

 実は、その後の15年11月に証券取引等監視委員会が、相場操縦容疑で村上氏周辺への強制調査に踏み切っている。しかし、カルロス・ゴーン氏の代理人も務める「無罪請負人」弘中惇一郎弁護士を立てた村上氏は昨年4月、「刑事告発断念」を勝ち取ったのだ。

 これを機に、「レノ」をはじめ、旧村上ファンドの幹部が役員に名を連ねる投資企業の動きが加速する。

 なかでも、市場関係者が村上氏側の「完勝」と口を揃えるのは特装車メーカー・新明和工業との一件だ。

「新明和は安倍総理がインドの首相にトップセールスした救難飛行艇“US-2”の製造元。今年1月までに、旧村上ファンド系の4社が23%余りの株式を取得した。結局、新明和は金融機関から400億円を借り入れて、1株当たり1500円で自社株TOB(株式公開買い付け)することに。村上氏側はほとんどの株式を売り抜けて約282億円を手にしたとされる」(経済部記者)

 まさに「荒稼ぎ」という言葉が相応しかろう。

 ちなみに、村上氏本人は旧村上ファンド系企業の役員ではないが、「4社のオーナーはいずれも村上氏であることから、意見交換を行った」(新明和工業)という。

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