朝日新聞「元政治部記者」が立憲民主党から参院選に出馬へ 東大法学部卒の超エリート

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朝日OBは政治家転進に苦言

 さて、参院選で立憲民主党は女性候補の擁立に力を入れているようだ。同党の公式サイトを利用し、表にまとめてみた。

 同党にとって象徴的なのが、LGBT運動の支援者と、セクハラの被害を受けた過去を持つ候補者だろう。前者なら経済評論家の勝間和代氏(50)の同性配偶者として知られる増原裕子氏(41)が京都選挙区で立候補を予定している。

 後者は、東京都選挙区から出馬を予定している塩村文夏・元都議(40)が都議会でセクハラヤジの被害を受けたことは記憶に新しい。更に比例で出馬予定の佐藤かおり氏(51)の公式サイトには、以下のような記述がある。

《#MeTooムーブメントが始まった時、「これは私のことだ」と思いました。私は、派遣社員として働き、セクハラ被害に遭い、適切な労災の適用を求めて、12年間たたかってきました。国を相手に裁判を3回提起し、すべての訴訟で勝訴判決を勝ち取りました。このたたかいはセクハラ労災の認定基準の見直しに道をひらいたと自負しています》(註:改行を省略した)

 政治部デスクは「今のところ山岸さんは、塩村元都議と同じ東京都選挙区に出馬するようです」と言う。

「東京都選挙区は定数10・改選5でしたが、今回の選挙から定数が1増えて改選が6になります。首都圏で立憲民主党は人気がありますから、知名度のある塩村文夏さんは当選の可能性がかなり高いのです。立憲民主党としては『もう1人いける』と判断し、山岸さんを立候補させたのでしょう。確かに朝日新聞の記者と立憲民主党の党是は親和性が高そうですが、これが果たして都民の有権者にどう判断されるのか、他社の政治部も関心は高いでしょう」

 朝日新聞に【1】立候補に向けた動きを把握しているか? 【2】現時点で記者か、社員か?――の2点について取材を申し込むと、広報部が5月21日、文書で回答を行った。

【1】立候補を予定していると聞いています。
【2】すでに政治部から人材戦略本部付に異動しました。近々退職予定です。

 1964年に朝日新聞に入社し、東京本社経済部長などを歴任し2005年にテレビ朝日の社長に就任した君和田正夫氏(77)は現在、「独立メディア塾」というサイトを運営している。

 君和田氏はテレ朝社長時、丸川珠代・元テレ朝アナウンサー(48)が参院選の出馬を表明した際、社長会見で不快感を示して話題になったことがある。そして、このサイトでも16年8月に「ジャーナリストは政治家へのステップか」と題したコラムをアップしている。文中では鳥越俊太郎(79)の都知事選出馬を否定的に評価し、次のように結んだ。

《自民党の丸川珠代氏がテレビ朝日のアナウンサーから立候補した時のことです。退社の二日前に社長室に挨拶に来ました。彼女の文章力には見るべきものがある、と彼女が部下になる前から評価していました。そうした社員を失うのは残念なことなので、日ごろ気になっていたことを聞いてみました。「メディアと政治の間の距離感をどう考えているか」です。残念ながら明快な返事はありませんでした。

 参院選の長野で当選した杉尾秀哉氏(民進)がTBS、鹿児島県知事になった三反園訓氏はテレ朝の記者でした。仮に目的の頂上が同じであっても、ジャーナリズムと政治は登り口が異なっていると思っています。杉尾、三反園両氏を含め、ジャーナリズムから転身した人たちは異なる登り口があることを忘れないでください。メディアが政治への入り口に使われることがないよう願っています》

 大先輩の指摘に、山岸“記者”は、どう答えるのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年5月21日掲載

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