「ウミガメの甲羅探し」に一苦労!? 元宮内庁職員が語る皇室儀式の世界

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 平成に終わりを告げた公式行事は、4月30日午後5時からの「退位礼正殿の儀」。そして、翌5月1日午前、「剣璽(けんじ)等承継の儀」によって令和が始まった。この時に引き継がれたのが「三種の神器」だ。

 宮内庁の関係者が言う。

「ご承知のように、三種の神器といえば、伊勢神宮にある『八咫(やた)の鏡』、熱田神宮の『草薙(くさなぎ)の剣』、そして皇居にある『八尺瓊曲玉(やさかにのまがたま)』を指します。鏡と剣については“形代(かたしろ)”といって分身が皇居にある。5月1日の儀式では、新天皇が本物の神器と形代の五つを引き継ぐことで即位となったわけです」

 いわく、三種の神器は天皇の所有物というより、それを持っている者が天皇といわれるぐらい重要なもので、その価値は計り知れない。新天皇は他にも多くの宝物を引き継ぐことになるが、税金はどうなっているのだろうか。

「もともと相続税法12条では、皇嗣が天皇から相続するものについては税金がかからないことになっています。ところが、今回は生前退位なので規定がなかった。このままでは生前贈与になってしまうので、2年前に作られた『退位特例法』で非課税となるように規定されました」(同)

 というわけで、新天皇は無事に神器を引き継ぐことになるが、神道学者の高森明勅氏が言うのだ。

「そもそも三種の神器は、天皇が勝手に処分できるものではありません。税金が議論になったのは、財産価値のあるものには課税するというGHQの戦後政策から来ています。しかしながら、課税の対象にならないことは、池田内閣の時代に国会答弁で確認されているのです」

 万が一、課税なんてことになれば国税庁だって困るだろう。

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