文在寅は金正恩の使い走り、北朝鮮のミサイル発射で韓国が食糧支援という猿芝居

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見透かされた北の手口

 もっとも「人道支援」を利用する手口は米国からすっかり読まれていた。ポンペオ長官はABCのインタビューで、先回りするかのように、次のように語っていた。

《人道支援は許されている。つまり、(国連)制裁は北朝鮮の人々が食糧を得るのを認めている。5月3日の夜に起きたようなこと(ミサイル発射)を見るにつけ、おカネが彼の人民のために使われるのならいいと思うのだが、残念ながらそうではない。》

 人道支援の名目で北朝鮮に渡った食糧が果たして普通の国民の元に届くのか、疑問を呈したのだ。これまで人道支援で北に送られた食糧の多くの部分が軍に流れた、というのが一般的な認識である。

 米国が、対北人道支援を認めはしても本格的には実施していないのもそのためだ。韓国紙によると、米国は韓国の対北人道支援も牽制してきたという。

食い違う米韓の発表

 ポンペオ長官の否定的な発言にもかかわらず、韓国政府はめげなかった。5月7日夜、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はトランプ大統領と北のミサイル問題を電話で協議した。その際、「人道支援」の話を持ち出した。

 青瓦台(大統領府)は「トランプ大統領は韓国による人道的次元の北朝鮮への食糧援助を支持する考えを述べた」と記者団に説明した。

 ポンペオ長官やボルトン補佐官が間に入ると「人道支援」も否定されてしまう。そこでトランプ大統領に直訴し、韓国が対北人道援助を始める「お墨付き」を得た、とのストーリーを描いたのだ。

 ただ、この電話協議に関するホワイトハウスの説明には「食糧援助」のくだりは全くなかった。不審に思った中央日報の記者がホワイトハウスに問い合わせたが、回答は拒絶された。

 朝鮮日報も「食糧援助へのトランプのお墨付き」は本当なのか、と疑った。社説「韓米電話協議のたびに異なる発表、もはや異常なことでもなくなった」(5月9日、韓国語版)で、相手国の首脳が合意もしていないのに、さも合意されたかのように青瓦台が発表するのが常習化している、と指摘した。

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