“移民大国”カナダの問題点 準備不足の日本は(KAZUYA)

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 ロシアに次いで、世界2位の国土を持つカナダに行ってきました。

 カナダと言えば、最近は中国の通信機器大手、ファーウェイの孟晩舟氏が逮捕されたことでも注目されています。そこから中国もカナダ人を拘束するなど、事実上の報復を行いますが、米国を始め日本も5G事業からファーウェイや同じく中国のZTEの締め出しに動くなど、世界情勢をも揺るがす事件でした。

 カナダは移民を大量に受け入れている国としても知られています。これまでも散々受け入れてきましたが、今後3年でさらに100万人の移民を受け入れる計画だといいます。あれだけ広い面積はありますが、3700万人程度の人口で、少子高齢化で先細りするよりは移民を入れて活力をということなのでしょう。

 しかし元の人口が少ないところに大量の移民を受け入れたら、一体国の形はどうなってしまうのか。そもそも歴史も浅い国ですし、多様性と言えば聞こえは良いですが、根無し草のような国になってしまわないか心配です。

 多様性関連で言うと、同性婚も認められています。バンクーバーにはデイビーストリートという通りがあります。大量のレインボーフラッグを配置していたり、横断歩道が虹色で描かれていたりと、インスタにアップするには良さそうなスポットで、実に主張が強いなと感じます。

 いわゆるゲイバーもありつつ、人気の飲食店も並んでいるため、観光地としても取り上げられるほどです。

 日本も入管法改正によって、今後5年で最大約34万人もの労働者が入ってくる見込みです。日本はカナダと違って元々の人口が1億を超えていますし、島国ゆえに外国人がそこまで流入することなく歴史を重ねてきましたから、いきなり外国人に寛容にと言われても、ついていけない面があるのではないでしょうか。

 歴史があるゆえに柔軟性に欠けると言うか、それは良い悪いではなく、そういうものだとしか言えません。

 移民が増えると、問題も起きることでしょう。バンクーバーに隣接するリッチモンドは中国系移民が多く、人口の約半分にもなるといいます。街には漢字の看板に中国系住民のための店が並びます。そうした環境ですから、元から住んでいた住民にとっては居心地の悪い場所になり引っ越すこともあるとか。そうなると余計に中国系の比率が高まる悪循環です。オーストラリアに行った時も同様の話を聞きましたが、特に中国系はどこの国でも似たような評価ですし、色々な意味でたくましい人々です。

 人口増加とともに投資が集まり、バンクーバーの不動産価格は異常な高騰を続けています。元から家を持っていた人は高騰してウハウハでしょうが、これから家を買うなら厳しいレベルです。

 日本は明らかに準備不足のまま法律を作り、実際の施行まで来てしまいました。習慣の違いからくる生活のトラブルや労働者同士の軋轢など、今後様々な問題が出るのは間違いないでしょう。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者61万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2019年5月2・9日号掲載

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