「日本共産党」が党名変更しない理由 志位委員長が引き合いに出した“オウム”の名

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“アレフ”と同じで…

 共産党担当の全国紙記者が、小泉政権下の2005年「郵政選挙」のさなかのことを振り返る。志位委員長が大阪遊説に同行した記者たちとホテルのレストランでオフレコ懇談会を開いた席上でのことだった。

 記者から「将来、共産党の名を変える可能性はあるか」と聞かれた志位氏は「ない」と即答し、こう真顔で説明したという。

「君たち、オウム(真理教)を引き継いだ『アレフ』を記事にするとき、必ず丸カッコで『旧オウム真理教』と入れているだろう。それと同じで、共産党が名前を変えたとしたら、君たちは丸カッコで『旧共産党』と付け加えて表記するに違いない。だから党名を変えることは意味がないんだよ」

 好むと好まざるとかかわらず、公安調査庁や警察庁よろしく共産党をオウム真理教と「同列」に並べてみせた志位氏。14年前に示した共産党という名にこだわる「決意」は、今も揺るぎないようだ。

「共産党が党名を変えるための環境が整うのは、天皇制や自衛隊、日米安保を容認し、共産主義社会を目指す革命を放棄したときしかない。むろん、そんなコペルニクス的転回に踏み切ことは望むらくもない」(公安関係者)

 とまれ、たとえ共産党が「本質」を覆い隠して党名を変更しても、有権者にはお見通しということである。

週刊新潮WEB取材班

2019年5月7日掲載

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