死体を蘇らせる! コマユバチに心も身体も操られるイモムシの末路 【えげつない寄生生物】

えげつない寄生生物2019年5月3日掲載

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 ゴキブリを奴隷のように支配したり、泳げないカマキリを入水自殺させたり、アリの脳を支配し最適な場所に誘って殺したり――、あなたはそんな恐ろしい生物をご存じだろうか。「寄生生物」と呼ばれる一見小さな彼らが、自分より大きな宿主を手玉に取り翻弄し、時には死に至らしめる様は、まさに「えげつない!」。そんな寄生者たちの生存戦略に、昆虫・微生物の研究者である成田聡子氏が迫るシリーズ「えげつない寄生生物」。第5回は「イモムシの身も心も操るコマユバチ」です。

ブードゥー・ワスプについて

 今回、登場するのは、ブードゥー・ワスプ(ブードゥー教のハチ)という俗称のあるコマユバチの1種(Glyptapanteles)です。

 コマユバチは、ハチ目コマユバチ科に属する体長数ミリの小さな寄生バチです。世界で5000種以上見つかっています。日本だけでも300種以上が存在しています。そして、コマユバチ科のすべてのハチがほかの昆虫に寄生する寄生バチです。しかし、ブードゥー・ワスプのように宿主をゾンビ化させてさらに操ることができる寄生バチは特異な存在です。

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