元アイドル「甲斐智枝美さん」の自死 “ポスト山口百恵”の暗転人生【平成の怪事件簿】

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自死の真相は闇の仲

 平成18年7月10日(月曜)の午前6時40分ごろ、自宅2階の寝室で縊死した甲斐を発見したのは、中学3年になる長男だった。平素ならとうに起きているはずの母親が起きていないのを不審に思い、様子を見に行っての発見だったという。
 
 119番通報を受けた救急隊が駆けつけた時点で甲斐の死亡は確認され、午後から行われた検視の結果、死因は“自殺”と断定された。死亡推定時刻は同日午前3時ごろ。
 
 遺書は残されていなかった。
 
 そのために、はっきりとした自殺の動機はわかっていない。甲斐の死後、実母が“長谷部智枝美”名義で貯めていた預金を長谷部さんが「相続する」と言い出したり、死の翌日には甲斐が実父にかけていた生命保険を連絡もなしに解約するといった振る舞いが見られたというが、長谷部家の内情が甲斐を自死に向かわせたのは否めそうにない。
 
 だが、葬儀の席で心境を述べて以降、長谷部さんはいっさいの取材に口を閉ざしている。

 甲斐が自死を選んだ理由は誰にもわからない。何が彼女を死に誘ったのかも。
 
 突発的な衝動に駆られての可能性は拭いきれないが、もしかしたら、自殺の真相を誰よりも知りたがっているのは夫の長谷部さん本人なのかもしれない。

降籏学

週刊新潮WEB取材班

2019年4月28日掲載

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