【平成最凶の事件簿4】わが子が「酒鬼薔薇」だと知ったとき――捜査員に告げられた驚愕の真実「息子さんが天井裏に……」

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「少年A」の部屋の「天井裏」

 その後、児童相談所で4回、家庭訪問も行われ、8回目のカウンセリングを6月30日と決めていた。雨が降る中、朝7時過ぎに警察が訪ねて来たのはその2日前、6月28日土曜日のこと。両親はともに、「まさかAがかかわっていると思わず」と供述している。

 夕刻、裁判所が発行した「捜索差押許可状」と「検証令状」を携えて、刑事たちが再訪する。立ち会った両親が目の前に見たものは、事件関与を物語る品々だった。挑戦状に使われた茶封筒、鞘(さや)付きのくり小刀、「バモイドオキ神」が描かれた犯行メモ、そして酒鬼薔薇聖斗を表す「風車マーク」……。父親はそのときのショックをこう語る。

〈頭の中が真っ白になるというようなショックでした。このマークは犯人が書いたものだということは新聞やテレビで何度も見て知っておりましたし、これに似たマークがAのノートに書かれていたことがショックだったのです〉

 それから捜査員は、「長男の部屋の北西の角にある天井板」を外すよう、父親に告げている。父親は求めに応じ、天井板に手をかけた。

〈天井裏のほうの面を見ると、赤茶色の汚れがあった。父親は雨漏りではないかと思い、まじまじとそれを見た。外は台風の接近で、はげしい雨が降っている。もし雨漏りだとすれば天井板は濡(ぬ)れているはずだった。だが、赤茶色の染(し)みは何日もまえにつけられたもののように、すっかり乾ききっている〉

「どういう意味があって必要なのですか」と訊ねる父親に、顔をしかめて黙り込んでいた捜査員が言いにくそうに答えている。

〈おたくの息子さんが、淳君の頭部を持ち帰っていったん天井裏に隠した、と説明しているんです〉

 母親はその場に崩れ落ちそうになり、父親は彼女の身体を支えながら、自分も腰が抜けそうになった、と供述している。

 高台に建つ一軒家から、両親と息子ばかりの5人家族は、その後、まもなく消えている。

デイリー新潮編集部

2019年4月12日掲載

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