【平成最凶の事件簿4】わが子が「酒鬼薔薇」だと知ったとき――捜査員に告げられた驚愕の真実「息子さんが天井裏に……」

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「僕より小さいので殺せる」

〈(淳君が)多井畑小学校の正門まえを通り、最初の信号機のある十字路を渡りきったとき、ちょうど少年Aが同じ歩道の向こうから自転車に乗ってやって来た。

 少年Aはとっさに「淳君ならば、僕より小さいので殺せる」と思い、淳君が亀が大好きなのを思い出し、

「向こうの山にカメがいたよ。一緒に見に行こう」

 と声をかけた。

 自転車を下りて、押して歩きはじめた。そのあとを淳君は笑顔でついていった〉

 住宅街を抜け、そのまま向かったのは、殺害現場となる「タンク山」の頂上だった。

 少年事件で事後に必ず取り沙汰されるのは、「親は子供の異常に気が付かなかったのか?」という疑念である。その年4月には校内での喫煙、5月には同級生に対する暴力で、Aの父親は学校に呼び出されている。登校拒否となり、児童相談所でカウンセリングも受けていた。

 遺体の頭部を友が丘中学校の正門前に置いたのは、2回目のカウンセリングの当日未明。Aと母親は児童相談所の事務室にあるテレビで、その衝撃的なニュースを見ている。母親がその時のAの様子を捜査員にこう語っている。

〈私は残酷なことをすると思い、身の毛がよだつ思いになって全身の震えが止まらず、その場で震えているとAが「恐(こわ)いなあ、はよ帰ろう、帰ろう」と言って私を促すので、児童相談所をあとにして、歩いて大倉山駅まで行ったのですが、途中、多少身震いもおさまってきて、Aに「ほんまにテレビで見るような事件があるんやなあ」と話しかけると、「そやなあ、すごいなあ」と相槌(あいづち)を打っておりました〉

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