「令和」の発音は4種類! 菅官房長官と安倍首相で違う発音、一般的なのはどっち?

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明治は「めいじ」か「めーじ」か?

 政府は4月1日、平成に代わる新元号を「令和」と決定し、菅義偉官房長官が発表した。その後、安倍晋三首相も記者会見を開いた。そして、この令和を、あなたは何と発音されるだろうか?

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 振り仮名は当然ながら「れいわ」の1種類しかない。ところが発音となると違ってくる。言語学者の山下好孝・北海道大学高等教育推進機構留学生センター教授は「4種類の発音が考えられます」と言う。

 第1点は「れいわ」と「れーわ」だ。これは令和に限ったことではなく、「明治」でも2種類の発音が併存する傾向がある。「明治安田生命」は「めいじやすだせーめー」、「明治時代」は「めーじじだい」と口にする人が多い。

 第2点は令和の「れい」を、「lei」とLの音で発音する人と、「rei」とRの音で発音する人の違いだ。

「日本人が英語を喋る際、LとRの発音が区別できず、誤解を招いてしまうという話を聞いた方は少なくないでしょう。例えば、レストランで『米(rice)』を注文すると、『シラミ (lice) 』と聞こえてしまって怪訝な顔をされたとか、『大統領選挙(presidential election)』と喋ったつもりが、『大統領の勃起(presidential erection)』と口走ってしまったりという具合です。ところが私たちも、日本語のラ行を発音している時、LとRを使い分けているんです」(同・山下教授)

「ラ行音」は単語の先頭に出るとL、単語の中に入っているとRになるという大まかな法則性がある。「ラジオ」のラがL、「テレビ」のレがR。「ラーメン」のラがL、「札幌ラーメン」のラはRというわけだ。

「とはいえ、法則に例外は付きものです。LとRの使い分けは、日本人の場合、結局は人それぞれというのが実情です。いずれにしても、これで令和の発音は4種類になることがお分かりいただけたと思います。ローマ字で書いてみれば、『leiwa』(Lの「れいわ」)、『leewa』(Lの「れーわ」)、『reiwa』(Rの「れいわ」)、『reewa』(Rの「れーわ」)、となるわけです」(同・山下教授)

 更に「れいわ」と「れーわ」の違いだが、日本語における一般的な発音となると、「れーわ」のほうだという。

「『れいわ』を丁寧に発音しようとすると、『れぇいわ』と英語の二重母音に近い発音になります。そして学術的には乱暴な表現かもしれませんが、一般的な日本語は二重母音を避けます。高知弁などは『先生』を『せんせぇい』と二重発音のように発音しますが、これは極めて珍しく、非常に保守的だと思います。だからこそ日本語の研究家の間では広く知られた話なのです。普通は『せんせー』と伸ばしますし、関西弁に至っては『センセ』と最後の母音を省略してしまいます」(同・山下教授)

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