新元号を機に関係改善? 安倍首相の「新天皇」へのなりふり構わぬアピールぶり

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佐藤栄作を抜いて

「かねて陛下は、女性宮家創設や生前退位について前向きに検討してもらうよう官邸へボールを投げてこられました。しかし、12年12月に発足した第2次安倍政権はそれを喫緊の課題と受け止めることはなかった。そこで宮内庁は国民的な議論を喚起すべく、NHKへ『陛下のご意向』をリークした。その流れを官邸は意趣返しと見て取ったわけです」(同)

 御代替わりを契機に、官邸側が関係修復に乗り出したということになる。

「安倍さんは今年8月、佐藤栄作を抜いて在職日数で戦後1位に躍り出ます。佐藤首相はしばしば天皇陛下にご報告をしていたようですが、安倍さんは長期政権の割に陛下へのご報告回数は少ない。そのあたりをかなり意識し始めているように見えます」(先の官邸関係者)

 もっとも、宮内庁担当記者は、

「天皇陛下のお考えを皇太子殿下もそのまま受け継がれていくでしょう。勿論、憲法第4条で天皇は政治的な権能を有しないと規定されている以上、直接的に政治的な発言はされません。しかし、皇太子殿下と安倍総理との間で、すれ違いが続くのは間違いないと思います」

 と、「首相工作」の難渋を予想する。なりふり構わぬ水面下の働きかけが奏功し、見事な桜を咲かせるだろうか。

週刊新潮 2019年4月4日号掲載

特集「さらば平成!『改元前夜』 カネと女と事件の狂騒曲」より

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