「スルガ銀行」「レオパレス」不正を暴いた「金融庁アンケート」公表迫る

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 土地神話は崩壊していないのか。国交省が3月19日に公表した「公示地価」によれば、地価は4年連続で上昇している。地価が上がればマンションの分譲価格や、アパートの賃料も値上がりするのは当然。地価上昇に、不動産業界と融資を担う銀行は小躍りしているかと思えば、金融庁の動きに恐れ慄いているという。

 遠藤俊英氏(60)がトップを務める金融庁は、昨年から過熱する地価上昇に懸念を示していた。経済誌デスクの解説では、

「女性向けシェアハウス“かぼちゃの馬車”の破綻後、スルガ銀行による口座残高改竄などの不正行為が発覚しました。その後も類似したケースが相次いだことで、金融庁は昨年10月に全国の金融機関へ“投資用不動産向け融資に関するアンケート調査”用紙を配布して、融資実態の把握に動き始めたのです」

 金融庁が課したアンケートの質問項目は42。そこでは融資の実行額と件数、債務者数、取引の上位20社などが問われていた。中部地方に本店を置く地銀幹部は心配をこう口にする。

「当局の目的は、不動産業界への融資引締めです。スルガは、実際の担保価値に見合わない物件へも融資していました。結果、“かぼちゃの馬車”破綻後、スルガの経営基盤も揺らいだ。金融庁の森信親前長官がかねてスルガを持ち上げたことで、右に倣えとスルガと同じことをしている銀行は少なくありません」

 金融庁は昨年12月にアンケート用紙を回収し、年明けから頭取や社長に直接ヒアリングを行っていたが、その最中に賃貸アパート大手レオパレス21の建築基準法違反が明らかになった。関東圏内に本店を構える第二地銀の役員は、

「当局のヒアリングでは、レオパレスのアパートオーナーへの融資について聞かれました。うちは融資物件が少なかったが、競合する地銀は取引件数が多かったので、検査官から詰問口調で融資の詳細を聞かれたそうです」

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