「スルガ銀行」「レオパレス」不正を暴いた「金融庁アンケート」公表迫る

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再編のきっかけ

 金融庁は、3月28日に調査結果を公表した。

「ポイントは、投資用不動産向け融資額の総融資額に占める割合。その割合が高ければ、株式市場は“スルガ銀行と同じ”と見なして、株価は下落する可能性が高い。株価が下がれば信用が低下して、経営不振がささやかれる結果を招くでしょう」(先のデスク)

 銀行は、金融庁に生殺与奪の権を握られた格好だ。

「個別金融機関の回答を公表することはありません」

 こう苦笑するのは、金融庁の関係者だ。

「個別金融機関どころか、都市銀行、地銀、第二地銀、信用金庫、信用組合など業態別の数値を公表するかさえ意見が分かれています」

 詳細の公表に二の足を踏むのはなぜか。

「それは我々の想像以上に、内容が悪かったからです。総融資額のうち不動産関係の融資が50%を超える金融機関もあった。しかも、融資方法が適正とは言い切れない銀行も少なくない。そんなものを公表したら、各地で信用不安が起きかねません」(同)

 当面の混乱を回避しても、先行きは明るくない。

「金融庁の“1丁目1番地”は、銀行の再編統合。投資用不動産に過剰に融資を行っている銀行のほとんどが、いずれ立ち行かなくなるのは目に見えている。このアンケートを基に地域金融機関の再編を進めていく方針です」(同)

 身から出た錆とはいえ、銀行は金融庁の動きを待つしかないのだ。

週刊新潮 2019年4月4日号掲載

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