「香川真司」今さら代表入りは“三者一両得”の論理

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 香川真司(30)が、先のW杯ロシア大会以来8カ月ぶりに代表に復帰した。森保監督の下では初招集である。

 スポーツ紙サッカー担当記者によると、

「香川のポジションMFは、既に代替わりしていて、中島翔哉(24)、南野拓実(24)、堂安律(20)の“森保三羽ガラス”で占められています」

 そのため香川は、1月のアジア杯は蚊帳の外だったわけだ。では、そんな香川が今回なぜ招集されたか。

「3月22日にコロンビア、26日にボリビアと国際親善試合を行いますが、これは6月に参戦する『コパ・アメリカ』の予行演習です。ところが、この『コパ』本番に、日本はベスト布陣で臨めないのです」

「コパ」は、旧称「南米選手権」で、南米ナンバーワンを決める大会だ。この大会に日本は、アジア杯優勝国カタールと共に招待されている。しかし、

「アジア杯などと違って、『コパ』に出場する日本代表には、所属チームから選手を強制的に借り受ける権利がありません。それゆえ、“三羽ガラス”の招集はほぼ絶望的な状況なのです」

 つまり、香川は後輩の穴埋めで「コパ」に招集される。そこで、その予行演習である今回の招集にも名を連ねたというわけ。しかし香川とて、独ドルトムント所属の正真正銘の“海外組”である。なのになぜ香川なら招集できるのか。

「彼は、1月からトルコ・ベシクタシュにレンタル移籍していますが、6試合3ゴールと大活躍中。そのため、ベシクタシュは香川の完全移籍を希望しています。香川は、自らの価値を維持するために代表で居続けることを望んでいますから、完全移籍の交渉に際して“コパ出場”を条件に出せる。ベシクタシュも、それで香川を獲得できればOK。そして森保監督も、戦力ダウンを回避できてひと安心というわけです」

 三者一両得なのである。

「もっとも、香川にとって、『コパ』は森保監督にアピールするおそらく最後のチャンス。ここで精彩を欠いたら、二度と代表に呼ばれることはないでしょう」

 シンジの真価が問われる。

週刊新潮 2019年3月28日号掲載

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