片付けの女王「こんまり」40億円調達で「マーサ・スチュワート」の後釜に?

ビジネス

  • ブックマーク

Advertisement

巨大ファンドも

 その「こんまり」が4千万ドル(約44億円)の資金を調達するために、ベンチャー・キャピタルと交渉していることが分かったのは3月上旬のこと。それによると、昨年から「セコイア・キャピタル」(運用資産約183兆円)などから出資を受けていたという。著作やネットフリックスからの収入で20億円近く稼いだといわれる「こんまり」だが、ベンチャー・キャピタルが、さらに大金を投じる。一体、何を狙っているのだろうか。

「ずばり、『マーサ・スチュワート』の再現でしょう」

 とは、シグマ・キャピタルの田代秀敏チーフエコノミストだ。

「“カリスマ主婦”として知られるマーサは実業家としても大成功しましたが、独力によるものではありません。一介のコラムニストだった彼女に目を付けたベンチャー・キャピタルが、資金を出しながら、食器や台所用品などの開発、さらにメディアへの露出まで、細かく“振り付け”をして育て上げたのです」

 その結果、彼女の会社は株式上場を果たし、ベンチャー・キャピタルも数千億円の利益を手にする。

「もっともマーサは、その後インサイダー取引に関わってブランドイメージはガタ落ち。ベンチャー・キャピタルは、代わりのカリスマが欲しかったはずです。そこに、東洋から来た小柄な女性が“片づけ”で人気となった。これを放っておくはずがありません」(同)

 さて、ベンチャー・キャピタルから40億円余の大金が転がり込んできそうな「こんまり」だが、今後はその資金で、棚や衣装ケースなどの片づけグッズをプロデュースしてゆくとも見られている。

 彼女が唱える「片づけの魔法」は、大金を生み出す錬金術となるのか。

週刊新潮 2019年3月28日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。