「ゴーン」1LDKでやりたい放題の保釈生活 “証拠隠滅を阻止できない”特捜の嘆き

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 三度目の正直で、カルロス・ゴーン(65)はようやく保釈を勝ち取ることができた。当初、人目を避け、軟禁生活を送らざるを得まいと見られていたが、予期に反して自由を謳歌。優雅で快適な「保釈生活」を満喫している。それには裁判所もビックリというのだ。

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 東京・渋谷区の旧山手通り沿いに建つ10階建てのマンション。

 かつて「東電OL殺人事件」が起こったラブホテル街からもほど近い場所にある。その2階の一室が、日産前会長のカルロス・ゴーンが保釈後の生活を送る「制限住居」だ。

 築40年を超え、年季の入った建物にはオートロックはなく、セキュリティの面では万全とは言い難い。10億円もの保釈金を支払い、ようやくシャバに戻った「元カリスマ経営者」の住み処にしては、質素というほかないのである。

「1月11日に行われた最初の保釈請求では、ゴーンの制限住居は、パリの住まいとされていました。ですが、海外逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして、結局、東京地裁に却下された。そのため、1月18日の2回目の保釈請求をするときに用意したのが、この渋谷区のマンションの一室でした」

 とは、東京地検関係者である。

「部屋のオーナーは、かつてルイ・ヴィトンやクロエなどの高級ブランドで広報を担当したり、都内でフレンチレストランを経営していたこともあるフランス人女性です。彼女の夫は日本人で、民主党で参院議員を1期務めた経歴を持っている。現在は、夫婦揃って、医療関係のNPOの仕事に携わっています。実はこのマンション、フランス大使館経由で持ち込まれたもの。当時、弁護団はこれとは別の物件の資料をゴーンに見せたりしていたのですが、最終的にはフランス当局の支援を受けたい彼がこの部屋を制限住居に決めたのです」

 ちなみに、間取りは12畳と7畳の1LDKで、以前、入居者募集をしていた際の家賃は月22万円。

 パリやベイルート、リオデジャネイロなどに、34億円以上をかけて日産に用意させた豪邸とは比べるべくもない。ましてや、ベルサイユ宮殿で結婚式を挙げたゴーン夫婦が娘とともに、わずか50平方メートルの広さしかない部屋での生活を始めざるを得なかったのだ。

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