ピエール瀧で窮地の「いだてん」 「菊間」「極楽・山本」の不祥事で、あのドラマはどう対応した?

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共演者も“大損”

《フジテレビは19日、人気グループ「NEWS」に所属する未成年タレント(18)を飲酒に誘った菊間千乃(ゆきの)アナ(33)らの減給処分を発表した》

《未成年タレントが出演していた同局系ドラマ「がんばっていきまっしょい」の代役を、人気グループ「KAT-TUN」の田口淳之介(19)が務めることが決定》

《関西テレビでは、未成年メンバーの処分が発表された16日、「19日放送分以降に関して当人の出演を見合わせる処置を取る」との方針を発表。19日に放送された第3話は、未成年メンバーの出演シーンをカットして放送した》

 テレビマンが地獄だったと回想するのは、19日の放送に間に合わせるため、処分の下ったメンバーを編集で消す作業だ。

「完成は放送直前です。19日まで一睡もできませんでした。使わなかった別カメラの映像をピックアップし、差し替えていくわけです。しかし、彼の役柄は非常に重要なものでしたから、編集でごまかすのは1話が限界でした。ドラマの途中で役者が代われば、当然ですが、視聴者はシラケます。背に腹は帰られず、結局は代役が決まりました」(同・テレビマン)

 代役は代役で茨の道だ。このテレビマンは「代役を立てるにしても、スケジュールの確保が大変なんです。その代表例が『東京タワー』でしょう」と指摘する。

 こちらも、まず関連記事をご覧いただこう。2006年8月31日にスポーツニッポンは「フジ『東京タワー』 代役・ドランク塚地で撮り直し――11・18放送」との記事を掲載した。一部を引用させていただく。同じく、年齢も肩書も当時のものだ。

《放送が7月から延期になっていたフジテレビドラマ「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」が11月18日(後9・00)に放送されることになった。強姦(ごうかん)の疑いで書類送検された元「極楽とんぼ」の山本圭一容疑者(38)の出演シーンに代役を立てて、収録し直す。代役はお笑いコンビ「ドランクドラゴン」の塚地武雅(34)がつとめる》

《山本容疑者が演じた役は、主人公・雅也(大泉洋)の幼なじみ「バカボン」。小太りで愛きょうあるキャラクターだ。代役が塚地に決定したのは今月の半ば。代役探しに約1カ月かかったのは、“小太りキャラ”は意外にも!?売れっ子が多く、スケジュール確保などの点で難航したためという》

 無事に代役が決まっても、再撮影は更に大変だ。連続テレビドラマなら、本編の撮影を続けながら、共演者に「かつて演じた場面」をもう一度、カメラの前でやってもらうことになる。コストが馬鹿にならないのは言うまでもない。

「再撮影を行う場合、代役の役者さんには、当然ですがギャラを支払います。ところが、再撮の現場に駆け付けてくれた共演者の皆さんは、ノーギャラが業界の不文律です。予算的にギャラの捻出が不可能なのが理由ですが、そのためにスタッフは頭を下げっぱなしです。どんな業界でも苦労はあるでしょうが、現場の負担は並大抵のものではありません」(同・テレビマン)

 テレビ局としても、ノーギャラでこき使うだけでは今後に差し支える。共演者を次回作のドラマで優遇したり、共演者が所属する事務所の役者をバーターで出演させるといった配慮をするなど、きめの細かな“アフターサービス”が求められる。

「NHKもありとあらゆることをやったでしょうし、これからもやっていかなければならないわけです。同業者として、本当に同情を禁じ得ません」(同・テレビマン)

 日刊スポーツ(電子版)は16日、「NHK『いだてん』瀧容疑者の代役は来週中にも発表」と報じた。

 先に触れた「東京タワー」の代役探しとは比べものにならないスピードには驚かされるが、NHKが関係各位に莫大な“借り”を作ったのは間違いないだろう。そしてこればかりは、ピエール瀧容疑者に損害賠償ができない。

 フリーの赤江珠緒アナ(44)は13日、毎週月曜から木曜までパーソナリティーを務めるTBSラジオの「赤江珠緒たまむすび」(午後1時〜午後3時半)に出演。同番組の木曜パートナーを務めるピエール瀧容疑者の逮捕について「本当にバカたれが、何やっているんだという感じです」と泣きながら叱責して話題となった。

 こうして関係者の苦労を見ると、「バカたれ」の言葉が、よりリアルなものとして伝わってくる。

週刊新潮WEB取材班

2019年3月17日掲載

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