新元号で歴史に名を残したい安倍総理の“野望” 背景に“なぜ中国由来”の声

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歴史に名を残す?

 そもそも、安倍総理がかように国書にこだわる背景には、

「自身や、その支持層である保守派の間には『なぜよりによって日本の元号制定で中国の手を借りねばならないのか』といった思いが共通してあるのです」

 とは、先の政治部デスク。が、前出の79年に定められた「元号選定手続について」には、中国発祥である漢字を使用すると記されているのだから、やむを得ない話ではある。

「政府は当初、新元号の発表を昨年夏ごろに想定していたのですが、新天皇のもとでの改元を主張する党内外の保守派から『二重権威を生みかねない』『一世一元の制に反する』との猛反発に遭い、ずれ込んでいきました。最終的には総理自身が、国民生活への影響を減らしたいと保守派を説得し、4月1日で押し切ったのです。それでも、新元号の政令には今上天皇が署名されるため、保守派は完全に納得したわけではありません」(同)

 そうした支持層にも配慮すべく、政府は閣議決定前の新元号を、陛下だけでなく皇太子さまにもお伝えすることにしたというわけである。

「元号の選定は、総理自らの意向に加え、保守派も後押しする格好で進んでいます。もし国書由来の元号が誕生すれば、1400年近い中で初めてであり、文字通り総理は歴史に名を残すことになるでしょう」(前出・官邸関係者)

 そうした“野望”もまた、国文学者を推挙したことと無関係ではなかろう。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年3月14日号掲載

特集「『候補案』を手土産に『皇太子』に急接近! 『安倍総理』の野望が透けた『新元号』の舞台裏」より

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