通勤通学“地獄”路線は? こんなに違うゴミ出し事情 一人暮らし「都会の死角」ガイド

社会週刊新潮 2019年3月7日号掲載

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「脅し、試し、落とす」

 アベノミクスなど何処吹く風のご時世では、少しでも安い部屋に住んで欲しい。

 そんな親たちの声が聞こえてきそうだが、先の櫻井氏はこんな懸念を口にする。

「安すぎる物件も考えモノで、過去に泥棒が入った事故物件の可能性もあります。相場より2割以上安い物件は要注意で、きちんと業者に理由を尋ねた方がいい」

 とはいえ、答える相手も海千山千なのが現実だろう。

「不動産屋は大手でも中小でも、一見(いちげん)さんには売れ残った物件を押し付ける傾向があります。不動産関係者が親族にいれば都会の業者を紹介して貰う。そうでない場合は、家族や友人に過去に良い物件を紹介してくれた業者を頼る。物件を探し回るより、まずは不動産屋とのコネを見つけることの方が、重要だと思います」(同)

 くわえて業界には「脅し、試し、落とす」という手法があると、櫻井氏は明かす。

「初めに古くて日当たりも悪い最低の部屋を見せて『脅し』、次に先程より条件は良いけど割高な物件を案内して『試し』、最後にそこそこだけど希望の家賃より5千円位高い物件を紹介し『落とす』のです」

 最初に見せられた劣悪な部屋よりマシだと感じ、ついつい契約してしまうが、結果的に当初の条件より高い部屋を借りる羽目に陥る。

 個人向け不動産コンサルティングを行う「さくら事務所」創業者で会長の長嶋修氏に尋ねると、

「家賃など譲れない条件に優先順位をつけておきましょう。不本意な契約をしてしまえば最後、高い敷金・礼金を払ったからと、結局だらだら住み続けることになる。なかなか条件に合う物件が見つからないなら、競争相手の少ない8月まで一時的にウィークリーマンションに住みながら、家探しを続ける選択肢もアリだと思います」

 それぞれの「上京物語」が始まるまであと1カ月。「都会の死角」を上手に避けて、悔いのない新生活の一ページを綴りたい。

特集「『子ども』『孫』を一人暮らしさせる前に知っておきたい『都会の死角』」より

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