住みたい街は性犯罪多発地域、狙われる物件の共通点は 一人暮らし「都会の死角」ガイド

社会週刊新潮 2019年3月7日号掲載

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一人暮らしさせる前に知っておきたい「都会の死角」(1/2)

 一気に春めいてきた列島で、まもなく始まる新生活に心躍らせる子どもや孫たち。初めての一人暮らしとなれば、送り出す側の不安は尽きない。はたして不慣れな土地に危険はないのか。この時期だからこそ知っておきたい「都会の死角」を徹底ガイドしてみよう。

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 花見の季節を前にして、ひと足先に「サクラサク」の吉報を手にした若者たち。就職や進学で上京しようとしてまず突き当たる壁は、何処に部屋を借りればいいのか――という問題である。

 毎年のように大手の不動産情報サイトなどが行う「住みたい街ランキング」では、例えば関東だと、1位横浜、2位恵比寿、3位吉祥寺といった具合に、休日のデートスポットとしても人気のエリアが並ぶ。

 せっかく都会に住むならお洒落な街で……。若者がそう思うのは自然なことだが、これに首を傾げるのは一般社団法人東京23区研究所所長の池田利道氏だ。

「アンケートに答える人たちは、テレビや雑誌でよく取り上げられる場所に憧れる傾向があります。新社会人や新入生の皆さんは、職場や学校との距離を優先すべきで、ランキングに惑わされないことが大切です」

 個人向け不動産コンサルティングを行う「さくら事務所」創業者で会長の長嶋修氏はこんな意見だ。

「新生活を始めるには、まずブランドへの変なこだわりを捨てることが大切です。街の知名度は低くても、通勤通学の利便性がよければ“自分にとってはいい住まい”となる。自分の生活スタイルに合った家を見つけることが一番ですよ」

 そもそも、人気のエリアは部屋も探しづらいという。

 年間200以上の物件取材を行い、全国の不動産事情に明るい住宅評論家の櫻井幸雄氏が解説する。

「たとえば吉祥寺や自由が丘など若者が魅かれる街は、駅から徒歩圏内に単身者用の物件が少なく結局バス利用を余儀なくされますが、道が混雑します。物価も高いので暮らしやすいとは言えないですね。若い頃から生活費のかかるエリアに住んでしまうと、分不相応な暮らしのクセがついてしまうのでお勧めできません。逆に物価も安く最近人気の足立区北千住やスカイツリーのある墨田区、浅草や上野を抱える台東区などの下町エリアに住めば、リーズナブルな生活が可能です。結婚後、マイホームを買うことも、都心に比べれば難しくないエリアですから」

 先の池田氏が話を継ぐ。

「人口増加率をみても、ここ10年は東京の住まいのトレンドが『都心ライフ』から『下町ライフ』へと転換しています。例えば北千住はこれまで昭和レトロのようなイメージで見られていましたが、東京電機大や東京藝大のキャンパス誘致に成功して若者向けの飲食店も多い。都心直結という交通の便の良さも魅力です」

 北千住同様、東京駅や新宿駅など都心のターミナルまで30分圏内の北区赤羽も、団地の再開発などで若者の注目を集めている。

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