まんぷく「安藤サクラ」の関西弁に賛否両論 専門家が評価分かれる理由を徹底解説

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 NHKの連続テレビ小説「まんぷく」も、いよいよ最終章。カップ麺の開発が描かれ、3月末で大団円となる予定だ。

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 ビデオリサーチは公式サイトで毎週、「報道」、「音楽」、「ドラマ」など8分野の関東地区視聴率ベスト10を発表している。

 これによると、「まんぷく」の視聴率は、ほぼ全ての週で20%台をキープ。ドラマの枠を超え、“日本で最も観られているテレビ番組”と言えるだろう。

 それほどの人気を誇る「まんぷく」だ。ネットで評判を検索しても、好意的な感想が圧倒的に多い。

 ところが「まんぷく 関西弁」と検索すると、途端に賛否両論となるのだ。特に「安藤サクラ まんぷく 関西弁」と入力すると、「上手い」と「下手」と、驚くほど正反対の感想が表示される。

 安藤サクラ(33)の関西弁は上手いのか下手なのか、ツイッターから一例を引用させていただく。最初が「賛」で、次が「否」だ。

《安藤サクラさんのセリフ、ほんと好きだわ。関西弁もめっちゃ自然。顔が薄いのも私好み》

《ところで『まんぷく』の安藤サクラと松坂慶子の関西弁は、皆にはどう聴こえてるんだろうか。関西弁ネイティブの私からすると、オーケストラの中にチャルメラが2人混じってるくらい気色悪いんだが》

 不思議なことに「関西人でも感心するほど上手い」と「関西人だから下手に感じる」のツイートが共存している。どちらかは“偽の関西人”なのだろうか?

『関西弁講義』(講談社学術文庫)の著作もある、言語学者の山下好孝・北海道大学高等教育推進機構留学生センター教授は「北大で関西弁を教える」名物教授として知られる。

 山下教授は京都に生まれ、神戸市外国語大学の大学院を修了。完全な“関西弁ネイティブ”だ。取材を依頼し、「『まんぷく』の関西弁が賛否両論になっている理由」について訊ねた。

「全体として申しますと、『まんぷく』の方言指導は、とてもしっかりしています。東京都出身という安藤さんの関西弁は、非ネイティブということを考えれば満点でしょう。ただし、それを踏まえた上で、関西人が安藤さんの関西弁に引っかかりを覚えるのも理解できます」

 ネット上では、同じくNHKの朝ドラ「カーネーション」(2011年下半期)でヒロインを演じた尾野真千子(37)と比較して、「否」とする意見もある。彼女は奈良県出身で完全なネイティブ。上手くて当たり前である。

 安藤サクラが関西弁を頑張っていることを認めながら、それでも「否」の意見が地元民から漏れてしまう理由として、山下教授は「2つの可能性があります」と言う。

「1つは、安藤サクラさんの周囲を、ネイティブの役者さんが囲んだ時ですね。これは仕方ないでしょう。安藤さんが演じるヒロイン・立花福子には、お子さんが2人います。演じる子役さんの発音を聞くと、ネイティブの可能性が高い。親子3人が会話していると、どうしても安藤さんの関西弁は一本調子で大げさに聞こえてしまう時があります」

 ちなみに兄である立花源を演じているのは二宮輝生くん(11)で、大阪の芸能事務所に所属している。妹の幸は三宅希空さん(9)だが、出身地などは分からなかった。

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