幸福の科学「清水富美加」の初主演映画 “満員御礼”背景に信者のノルマ

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グルグル回転菩薩

 とはいえ、当然、主に信者向けの映画ではあるため、幸福の科学にはチケット購入のノルマがあったという。

 元信者によると、

「名簿上、300人くらいが所属する支部を例にとると、支部長はだいたい3千万円分のチケットを捌くことを本部から要求されます。でも、それはプレッシャーをかける目的で、実質的なノルマはその半分。そこで、もし1千万円をクリアできないと、支部長は左遷される可能性があります」

 そのため、支部長は所属の信者に必死の売り込みを図るという。

「個人で1千万円以上のチケットを購入すると、教団内で“大黒天”として扱われます。大量のチケットを抱えた信者は、同じ劇場で、繰り返し繰り返し映画を鑑賞し続ける。その鑑賞法は、“グルグル回転菩薩”と呼ばれています。最初は、信心深く手を合わせてスクリーンを向いていても、だんだんと飽きてきて、大抵はウトウトしてしまいますけどね」(同)

 果たして、「僕の彼女は魔法使い」では、どれくらいの興行収入が見込めるのか。

 2017年の衆院選で、幸福の科学が母体の「幸福実現党」は、比例代表で約29万票を獲得した。単純に、映画のチケット代1800円を掛けると、5億2千万円以上の興行収入が見込めることになる。さらに、選挙権を持たない信者の分もそれに加わるはずだ。

 ちなみに、昨年公開の幸福の科学の映画「さらば青春、されど青春。」の興行収入は6億2千万円だったという。

 藤倉氏が続ける。

「もともと、大川総裁は教団の箔付けのために、芸能人の霊言を連発したり、映画に取り組んでいるわけです。今度の映画で、製作総指揮を執ったのは15作目。このままクリエイター気取りでいたい大川総裁は、今後も毎年のように映画をつくっていくに違いありません」

 挙げ句、一方的に信者は映画チケットを抱え込むハメになるのだ。

週刊新潮 2019年3月7日号掲載

ワイド特集「ゲームの駆け引き」より

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