小池都知事の築地市場跡地予算案ちゃぶ台返しで都民ファースト内部崩壊

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「逃げてしまっているという印象は良くない」。小池百合子旋風が吹き荒れた2017年2月、築地市場の移転を巡り、小池百合子都知事(66)が石原慎太郎元都知事(86)を威勢よく批判した言葉だ。今、この言葉がブーメランとなり、小池氏に突き刺さっている。

 2月20日に開会した都議会定例会が、築地市場跡地の予算を巡って空転中だ。開始時刻の午後1時になっても議員が一人も現れず、午後5時前にようやく開始したと思いきや、1分後に即休憩。終わったのは、翌21日午前2時。何があったのか。

「築地市場跡地の再利用には税金を使わないという姿勢だった小池都知事が突然、5400億円もの都税を費やして購入すると方針転換した。しかも急用でないのに、18年度の補正予算案に、説明なくねじ込んだんです。これに自民党をはじめ野党が反発して混乱した」(都政担当記者)

 19年度予算を決める予算委員会には、都知事の出席が義務付けられているが、18年度の補正予算を決める財政委員会には出席の義務がない。逃げの姿勢を見せる小池氏に対し、一問一答で追及する場を設けたい野党と、小池氏を守りたい都民ファーストと公明党。争いが熾烈になるなか、都知事の定例記者会見でも、あるジャーナリストが、

「嘘ついて都議選勝って、都民ファーストは騙し集団じゃないですか?」

 と、野次を飛ばす始末。都議会のこの昏迷が、都民ファ内の亀裂も生んでいるとは、さる都議だ。

「都知事を守りぬきたい議員と、世論の批判を収めるため、都知事を表に出したい議員とで意見が対立。この都民ファの分裂に、公明党幹事長も激怒。与党内の分裂をも生む散々な結果に。オウンゴール状態です」

 逃げている間に味方が居なくなりますゾ。

週刊新潮 2019年3月7日号掲載

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