議員辞職の「田畑代議士」 性犯罪で告訴も「書類送検」が関の山という警察捜査の腰砕け

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書類送検が関の山

 一方、被害女性が交際相手だったことから、「痴話喧嘩に毛が生えたようなもの」と評した二階派の幹部もいたが、これは事件の「矮小化」に他ならない。

 たとえば、内閣府が公表した14年度の調査。性犯罪の被害者に加害者との関係を尋ねたところ、全体の28・2%を〈交際相手・元交際相手〉が占めた。「顔見知り」まで範囲を広げれば実に74・4%に及ぶ。つまり、圧倒的多数の性犯罪は見ず知らずの変質者による行きずりの蛮行ではなく、むしろ被害者の知人によって引き起こされているのだ。

 実際、東京高裁は07年に、妻を脅迫して姦淫した夫に強姦罪の有罪判決を下している。

 だが、性犯罪の厳罰化を推し進めた警察は、いまや官邸の顔色ばかりを窺い、あまつさえ、捜査の現場までもが「忖度」を余儀なくされていたという。愛知県警関係者が声を潜めて言う。

「この事件は本部長マターなので警察庁の意向は無視できません。告訴状こそ受理したものの、国会会期中ということもあり、準強制性交での逮捕は絶望的。在宅で書類送検するのが関の山ではないか。また、警察は書類送検する際、送致書に検察に対する“意見”を書き添えます。たとえば、起訴が相当と考えているケースでは“厳重な処分を願う”といった具合です。ただ、今回は“しかるべき処分を願う”になる公算が高いと囁かれている。これは、起訴は困難という警察の意思表示です」

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