赤坂「金龍」が3月で閉店 料亭政治の舞台、山拓氏ら根城に

政治週刊新潮 2019年2月21日号掲載

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 オープンでクリーンな政治が昨今の流行りならば、ここで繰り広げられてきた権謀術数は“古い政治”の象徴とでもいうべきか。

 かつて、「料亭政治」の舞台として数々の政局を生み出した東京・赤坂の「金龍」が、この3月いっぱいで店じまいとなる。

「うちのお店は、先々代の女将と中曽根康弘さんの仲が良く、政治家の先生方もよく利用してくれていたんです。ところが、最近は、政治家はもちろん、企業も料亭を接待に使う時代ではなくなり、経営は赤字に陥っていました」(金龍の関係者)

 派閥政治が盛んだった昭和の終わり、赤坂には60を超える料亭が軒を連ね、夜な夜な密談が交わされていた。

 政治ジャーナリストの泉宏氏によれば、

「あの頃、駆出しの政治記者の仕事といえば、赤坂中の料亭を回り、停まっている黒塗りのナンバーを確認することだった。それほど、政治と料亭は切っても切れない関係にあったのです」

 当時、自民党の各派閥には行きつけの料亭があったというが、金龍を根城にしていたのは、もっぱらYKKこと山崎拓氏、加藤紘一氏、小泉純一郎氏の3人であった。

「金龍は赤坂の料亭の中では値段が安く、どこの派閥の縄張りにもなっていなかった。あの頃、次世代のホープとして政界を牽引しようとしたYKKが金龍に集ったのには、そういう事情もあったのでしょう」(同)

 ところが、派閥政治の衰退とともに料亭も次々と姿を消し、今や赤坂にも数軒が残るだけ。

「政治家同士の会談の場も料亭からホテルに移りましたが、膝詰で話ができた料亭政治に一定の効能があったのも事実です」(同)

 金龍閉店の報について、YKKの一人である山崎氏に胸の内を尋ねてみると、

「寂しいの一言ですね……」

 また一つ、時代を彩った灯りが消えようとしている。