「なおみちゃんには強い大坂の血が流れてる」 親族語る“豪傑で知られた曾祖母”の存在

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「強い大坂の血」

 良子さんが「奇縁」を寿(ことほ)ぐ。

「結果良ければ全て良し。結婚に反対されず、フランソワさんが根室で漁業を手伝っていたら、環ちゃんも外国まで行こうと思わなかっただろうし、なおみちゃんは世界一のテニスプレーヤーになっていなかったかもしれないんですからね」

 そして何より、

「なおみちゃんの前向きなところ、目標を目指して突き進む強さは、母みつよから受け継いだものじゃないかと思うんです」(同)

 五女の五十嵐弘子さん(76)もこう胸を張る。

「なおみちゃんの顔には、やっぱり大坂の血が滲(にじ)み出てるわね。ハイチ系の血も入ってるけど、それに負けないだけの強い大坂の血が流れてるんですよ」

 鉄夫さんも照れた様子で、

「母親と私、なおみは、みんな顔が似てるって言われるんですよ」

 最後に、生前にみつよさんが作った詩の一節を紹介しておく。

〈呼べど叫べど島影遠く/帰らぬ島になったのか/私を忘れてしまったのか/磯の香りと波の音/泣いてはなれた島なのよ〉

 人に、一家に、そして島に歴史あり。安倍・プーチン両首脳に、「世界一の女性の先祖」の詩はどう響くのだろうか。

週刊新潮 2019年2月21日号掲載

特集「『大坂なおみ』も知らないファミリー・ヒストリー 曾祖母が自伝に綴ったソ連兵『北方領土』収奪の日」より

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