面識ない男をはるばる訪ねた「茨城女子大生殺人事件」の教訓 廣瀬容疑者に2度の検挙歴

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犯罪者登録法

 刑事法学が専門の常磐大学元学長の諸澤英道氏は、

「日本では警察、検察、刑務所が犯罪者のデータをバラバラに持っています。それを一元化したデータベースを作り、必要に応じて市民に公開する仕組みを作っていくべきです」

 と言って、続ける。

「そのために、私は犯罪者登録法の必要性を訴えています。特に性犯罪は再犯率が非常に高いので、再発防止の観点から犯罪歴を、もちろん慎重にですが、公開できる仕組みがあれば、高い抑止効果を発揮するはず。今回のような件なら、警察がネット上の出会い系サイトに介入し、性犯罪歴がある人が利用していないかパトロールして、犯罪者が一元化されたデータベースと照らし合わせる。そして、その結果に応じて、ネットの使用にも制限をかけるのです。実際、欧米各国ではこのような場合、裁判所がインターネットの使用制限を命じています」

 日本にもそのような仕組みがあれば、明らかな性犯罪歴がある廣瀬容疑者のような男が跋扈することは、未然に防げたかもしれない。

 だが、そもそもの話として、くだんの掲示板は、

「見ず知らずの男女が、それぞれに思惑を抱えて交流する場として利用されることが多いもの。そこでの出会い自体に危険を伴うと認識してほしい」

 と、ITジャーナリスト。面識のない男を若い娘が遠方まで訪ねた挙句、密室に2人きりで一定の時間を過ごすような危険は、ゆめゆめ避けなければなるまい。

週刊新潮 2019年2月14日号掲載

特集「茨城『女子大生殺人事件』 新聞テレビが報じない『30万円金銭トラブル』の代償」より

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