面識ない男をはるばる訪ねた「茨城女子大生殺人事件」の教訓 廣瀬容疑者に2度の検挙歴

社会週刊新潮 2019年2月14日号掲載

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 茨城県神栖市の、田畑に囲まれた人気のない空き地から、行方不明になっていた菊池捺未(なつみ)さんの遺体が掘り起こされたのは、1月31日未明のことである。菊池さんの音信が途絶えたのは昨年11月20日、午後11時ごろだが、翌月に19歳の誕生日を控えていた彼女のその日の足取りは、謎めいていたというほかない。

 菊池さんは昨年4月から親元を離れ、東京都葛飾区で1人暮らしを始めていた。お茶の水にキャンパスがある日本薬科大学に通うためだった。その日も午前中は大学で授業を受けたが、終わると東京都足立区の綾瀬駅から電車を乗り継ぎ、JR鹿島線の鹿島神宮駅までやってきた。不可解なのはそこからの行動だった。

「駅のロータリーでお客さんを待っていたら、無線で“○分の電車でお客さんが来るから”と言われて、車列から離れて待機してたら、数分後に女の子が歩いてきて、午後5時43分に乗り込んだんだ」

 と話すのは、彼女を乗せたタクシー運転手。どうやら、事前に予約を入れていたらしい。

「“どちらまで?”と聞くと“神栖方面”とだけ言われて、走らせてからも、その子はずっとうつむいたまま、携帯を見ている感じでした。15分くらいして、神栖のどこか聞こうと思ったら、家電量販店の名前を言うので国道を横断してそこに向かったら、今度は“この先を左に”と言って、曲がったところのコンビニで降ろしたわけ。それが午後6時2分。もう薄暗くなっていた。料金は2800円くらいだったね」

 降車後、菊池さんはどういうわけか、そこから歩いて2分半ほどの別のコンビニに移動している。

「そこで男と落ち合うと、その男は彼女に目隠しを指示し、アルバイト先の軽バスに乗せて、400メートルほど離れた男のアパートまで移動します。アパートの場所を特定されないように目隠しをさせたものと思われます。それから男の部屋に入ると、しばらく2人だけで過ごしています」

 そう話すのは捜査関係者だ。実際、菊池さんはその日、友人にLINEで「男の人に会いたいと言われている」と伝えていたが、この廣瀬晃一容疑者(35)という男と会うのは、この日が初めてだったのである。

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